ユウキ

恋する母たちのユウキのネタバレレビュー・内容・結末

恋する母たち(2020年製作のドラマ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

母としての自分、妻としての自分、職場での自分、友達といる時の自分、1人の女性としての自分。誰かを大切にしたい気持ちと、誰かに大切にされたい気持ち。全部違うけどそのどれもを頑張りたいし捨てたくない。
そういう思いが母たち3人の心の奥底にきっとあって、だからこそ、不倫モノだけどすっきりと見られた。
大豆田とわ子と三人の元夫といい、最高の離婚といい、型に当てはまらない関係性を提示してくれる作品が最近はとても好きだ。
恋人と愛する人は違うこともある。配偶者と人生のベストパートナーは違うこともある。一緒に暮らしたい相手と、嬉しいことがあった時1番に報告したい相手は違うこともある。
このドラマはありがち展開ばかりに見えて、実はこれまでの不倫ドラマとは全然違う。

恋愛、友情、家族の要素がちょうどよく組み合わせられていてドキドキもしたし笑えたし、あったかい気持ちにもなったし感動して涙もした。
大好きなシーンはいくつもあるけど、優子さんの息子、大ちゃんのカミングアウトのシーンにはグッときた。「人を愛することは、素敵よ」このセリフはいい意味でも悪い意味でも自分の気持ちに正直に真っ直ぐに人を愛してきた優子さんだから出た言葉だと思う。「人の親になれるような人間じゃない」ってセリフがあったけど、逆にダメなところを抱えて生きてきたからこそ、かけられる言葉があって、それが子供の心を救う時があるんじゃないかって私は思う。吉田羊の演技は相変わらずたまらなく好き。仕事頑張ろうって思えた。

阿部サダヲ演じる丸太郎も厚みのあるキャラクターでとてもよかった。あの包容力は好きになっちゃって当たり前、私だったら全てを投げ捨てて懐に転がり込みたくなるけど、自分の中でけじめをつけてから向き合うまりちゃんも素敵だった。この2人もしっかりダメなところがあって、完璧なわけじゃないっていうのもリアルでいい。

サウンドトラックもすごくよくて久しぶりに心を掴まれるドラマを見た。不倫はよくないかもしれないけど、家庭を持ってからも自分自身の人生を大事にしていいと背中を押してくれる作品だった。しばらくロスになると思う。
磯村勇斗の年下男子キャラ、「離婚して?」「僕だけの優子さんになってほしい。」はずるすぎるよ、、、、、