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ピノキオのakariのレビュー・感想・評価

ピノキオ(2016年製作のドラマ)
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めちゃくちゃ良かった!すごくすごく好き。面白すぎたのでリピート確定です。見進めるのが辛いほどシリアスなシーンもあれば、とてもほっこりする温かいシーンもあってバランスの良いドラマでした。
報道被害に遭ったダルポと、その原因を作り出したソン記者の娘イナの物語。家族になった2人は共に記者として働き始めます。嘘がつけないピノキオだからこそ優しくて真っ直ぐな取材をするイナが素敵でした。ダルポが背負った過去はあまりにも辛く、平常心では見られないほど心が痛みます。真実を知って苦しむイナの表情にも深く共感できました。ソン記者の講演会で、ダルポの声を代弁してくれたイナには涙が出ました。ソン記者に復讐するというお兄さんとの約束を守ろうとすると、ダルポはイナと一緒にいられなくなってしまう。本当は一緒にいたいはずなのに、お互い記者として自立しようと別れた2人が切なくてかっこよかったです。気まずくなっても愛し合っているのが伝わりました。2人の間に流れる強くて優しい空気がとても好きでした。キスシーンが本当に素晴らしすぎます。ダルポの家で過ごす朝がかわいい。一生いちゃついててくれ!局長にいじられるのは笑いました。最終話ラスト、心から幸せそうな2人が眼福…。
ハミョンとジェミョンが再会できた時は、嬉しさとこのような形になってしまった辛さとで複雑な感情でした。ジェミョンに弟だと明かすダルポの表情は、本当はこんなはずじゃなかった気がして悲しくて仕方なかったです。ハミョンとジェミョンの復讐劇には胸が熱くなりました。テレビ局の前での別れのシーンは涙が止まりませんでした。復讐を弟に任せた兄。絆は固く、2人の置かれた状況に心が締め付けられます。自分たちを苦しめた記者と同じにはならない。見ないふりをしないで事実を伝える。そうして苦しめられた世の中に復讐すると決めたダルポの意思に感動しました。ダルポはお兄さんとの約束のために家族と離れることを決意。本当は思い合っている家族の別れにボロボロ泣きすぎました。チェ家の家族愛がとっても良かったです。具合が悪いと話したダルポにみんなが別々に薬を持ってきてくれるのとか本当に好き。ダルピョンはダルポに当たり強めなのかと思いきや、イナが大好きなめちゃめちゃ可愛い人でした。イナの幸せだけを望むお父さんは優しかったです。ダルポの事情は聞かず温かい愛で包むおじいさんにも心から癒されます。貯金箱勝手に開けるのは笑いました。ダルポの反応がいちいち可愛すぎました。1人になったダルポは、ソン記者への復讐という私情に囚われ始めます。ねつ造をしかけますが、それではソン記者と同じだと気づき行動を改めたダルポが胸熱でした。君なら気づいてくれると思っていた…!徐々に記者として一人前になっていくダルポ、イナがかっこよかったです。2人と共に働くボムジュやユレの成長も楽しめました。ボムジュのにじみ出る金持ち発言やユレの小生意気さに笑いました。まさかのキャップ…いいねぇ…!
ダルポがとにかく可愛かった!雨の中赤いコーン被ってるシーンや、納得できてない時にするジト目みたいなのも好きすぎました。たまに前髪あげるのがたまらん。第13話の酔っ払ったダルポが本当に可愛すぎる…今まで見た生き物の中で一番可愛いと思いました。「今は一緒にいられない。だけど他の男の所に行くな」信頼のダルポ…こんなセリフもしっかり信じられるのはダルポだけ!すごくきゅんきゅんしました。イナの口むぎゅってやるのも腕直ってるのにお家に居座りたいのもほんと好き。
記者の在り方や報道の意味について考えさせられました。憶測を真実のように話すこと。視聴者が喜べばそれでいいのでしょうか。“視聴者が見たがっているから”という理由を免罪符に自分勝手な報道をしてはいけません。記者の言うことは全て本当に聞こえるからこそ、責任のある報道を望みます。どうか視聴者が見るべきニュースをと願わずにはいられなくなりました。自分が知りたいことではなく人々が知るべきことをパク会長に質問したダルポは本物の記者でした。発した思いは回り回って届くべき人の元へ届くというのが良かったです。誰かに話してみるということがいつか人を救うこともあると思います。韓国にも“マスゴミ”みたいな言葉があると知りました。言葉自体はあまり好きではありませんが、使うなら“マスゴミだから〜”ではなく“〇〇だからマスゴミだ”というふうに使ってほしい。ゴミだと下に見て評価するのではなく、同じ人間として対等に意見を述べあえたら良いと感じます。
記者に限らず私たちが使える武器は言葉だけ。それは使い方次第で人をも殺す、大きな力を持っています。動じていないように見えたソン記者にも、真っ直ぐな言葉を投げかけ続けていたら心を動かすことができました。記者が使えるのは言葉だけ、質問することしかできないけれど、その言葉には確かな力がありました。ダルポ、イナ、ボムジュがぶつかる、家族の不祥事を暴くべきかという葛藤が苦しかったです。今まで家族として愛してきた時間を全て否定するようで辛い気持ちになります。それでも記者のプライドを賭けて戦う彼らがあまりにもかっこいい。ボムジュにとって記者として働いた時間は本当に楽しかったんだろうなと想像すると切なくなりました。イナと出会えてよかったと笑う彼の姿に感動しました。会社で眠るソン記者がイナと手を繋いだ5分間がとても良かったです。イナが大好きだったお母さんの面影が見えた気がしました。悪く報道される人にも愛する家族がいる。そのことを知っていて責任を持って報道できる記者に記者でいてほしいと強く思いました。
「お前は俺のことを報道したから、ソン記者とパク会長に堂々と質問できたんだ。他の選択をしてたら質問する資格すらなかった。今日みたいな日も迎えられなかった」皆たくさんの後悔をしました。間違えたと思っていたことも、それがなかったら今の自分はないのかもしれません。そう思うと自信が持てる。強くなれます。お互いを失う恐怖に打ち勝って、何度も何度も不安な選択を繰り返して今幸せになれた2人を心の底から祝福したいです。
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