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逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!のssのレビュー・感想・評価

4.3
野木亜紀子の脚本には時代を捉えたキャラクター設定とキャラクター同士の応酬の面白さがある。レギュラーの逃げ恥をちゃんと見ていなかったが、今出すべき逃げ恥としての解答として、コロナ禍が外せないキーワードとしてしっかりと打ち出されていた。
近年の『マッドマックス』、『アナ雪』、『ワンダーウーマン』での、過去のコンテンツが示してきた女性像の改変然り、『mid90s』『ミッドサマー』でのホモソーシャル、有害な男らしさへの言及が見られてきた2010sの先にある次のコンテンツとしての価値観のアップデートと、逃げ恥が訴求してきた性別や固定観念からの解放との交点として、2021年に今出すべき解答としてベストな脚本だったと思う。この一年で様々なコンテンツがコロナ禍へのアンサーを状況に応じて素早く出てきた中で、しっかりと作りこんでひとつの夫婦の成長物語として落とし込んだのが素晴らしかった。コンテンツとはこうあるべきだ。
3.11から5年後、そのアンサーとして発表された『君の名は。』『シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』のように、このコロナ禍を経て、人類が何を学び、どういう解答を出すのか。この不安定な時代だからこそ、コンテンツの真価が求められている。
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