uyuyu

新聞記者のuyuyuのレビュー・感想・評価

新聞記者(2021年製作のドラマ)
3.0
映画版と内容はほぼ同じだが、違うところは、自殺した財務省職員の甥が「ふつーの大学生」という設定で登場する。「政治なんて興味ないわー」的一般市民目線という意味で、これはまあありかもしれないが、主人公の兄の設定はちょっと盛り込みすぎのような気がした。

映画版のレビューにも書いたのだけど、この作品を評価するときに、①日本社会ではアンタッチャブルとされている題材を扱っている、という観点と、②題材とか関係なく、ドラマとしてのクォリティはどうなのか、という観点が必要だと思う。

私は、①については大いに評価したい。きっと圧力もあったと思うので、それに屈しなかった出演者、スタッフのみなさんに敬意を表したい。だけど、権力を告発する映画やドラマは、アメリカにも韓国にもいっぱいあるから、これだけでは海外では特に評価されないだろう。
というのも、②については凡庸と言わざるを得ないから。設定が安易だったり、セリフが説明的だったり、俳優の演技がわかりやすすぎたり・・・。なんていうか、再現ドラマを見ているみたいなんですよね。。。ああ、、日本のドラマはまだこのへんなのか、、と思った。
とはいえ、事件のことを私は知っているし、自殺した赤木さんの手記やパートナーの方の告発内容なども読んでいるので、いろいろダブってやっぱり泣いちゃうんですけどね。

評価したい点と、残念な点が混在しているのだが、日本国内でこの事件のことや、安倍政権の実態がもっともっと広く知られてほしいという思いはある。「内閣情報調査室」という機関がああいうことをやっているのは事実だし、とくに政治や社会に関心ない若い層には見てほしいなと思う。日本社会、このままでいいのか?と考えるきっかけになると思う。
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