たそしだ

ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナーのたそしだのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作ヒルハウスがあまりにも素晴らしかったので、ずっと配信を楽しみにしていた。
最後の9話まで一気に見た! 
相変わらず伏線の張り方と不気味な雰囲気がクセになる。

ドラマとしてとても面白かったが、ヒルハウスには劣る印象。
伏線はあるものの、回収の爽快感はそこまでない。
ブライマナーの因縁にまつわる物語はラスト付近で明かされ、それが本作のカギなのだが、1人の幽霊の話に収束してしまうのはやや尻すぼみな印象だった。
また、重要なキャラクターであるピーターにまったく共感できないのは残念だった。幽霊という不可解な要素が入っているうえに、サイコパス的な(観客の予想を超える)人物がいると、物語が一気に遠かったように感じた。
ピーターをはじめとして、登場人物の過去編の掘り下げがやや浅いのも勿体なかった。好みの問題かもしれないが、必要ない部分の説明が長く、必要な部分の説明がやや言葉足らずだった印象。

ヒルハウスでは、それぞれの幽霊に悲しい因縁があり、その由縁をていねいに解き明かしていくところが素晴らしかった。
ブライマナーも同じ構造だが焦点が当たるのは1人だけで、しかも巻き込まれただけの人物が献身することになり、ひとり悲劇に身をやつすのは後味が悪い。
さらには救った子供たちの記憶がないのも主人公サイドから見ると救いがない。

1話のドールハウスのくだりはかなり怖かった。顔のない幽霊は恐ろしいが、回を追うごとにだんだん見慣れてきてしまう。

認知症と幽霊を結びつけたところは秀逸。ハナに関する話はお化けとは違う恐ろしさがあった。映画『ゴーストストーリー』を彷彿とさせる、意識にまつわる怖さというか。

ジェイミーとダニの恋物語は美しく、ラストシーンはとても良かった。
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