このレビューはネタバレを含みます
大傑作。
物語で引っ張っていくシリーズものというよりは、上質な映像体験、映画体験を何本も観れる至福の時間だった。
1話丸々結婚パーティーのけだるい空気感だけで表現してしまったいるのはあまりにも情緒的で実験的な映像体験になっている。
個人的に大好きなのは第一話で街を延々と彷徨っている主人公を描いているとてもアンニュイで気持ちのいい倦怠感が表現されている部分。
またそれは最後にヒロインと2人でライブを目指して街を彷徨う様もまた重なってくる。
私自身がルカ・グァダニーノに常に期待するのは、ある種の映画的時間の使い方である。ある意味、まるで時間を持て余したかのような、尺をたっぷり使った表現は現代において彼の映像でしか体験できない貴重なものなのかもしれない。ここ数年で最高の一本。
