shino438

ミスター・メルセデス シーズン1のshino438のレビュー・感想・評価

3.0
クルマ好きとしては「タイトル」だけで興味持って観た…んだけど、そんなに関係なかったですね。キング原作というのも後から知った。過去にベンツで16人を惨殺して未解決のまま普通に生活しているシリアルキラーの若者ブレイディと、事件を解決できずに引退した主人公である元警官の老人ホッジスとの対決を追ったドラマ。

犯人は過去、母親、仕事等、さまざまなトラウマを溜め込んで行って、自分の犯罪を誇示したくなって自ら未解決事件を掘り起こす(主人公に嫌がらせを始める)んだけど、老人は過去の事件を引きずって生きる気力をなくしていたのに、犯人からの嫌がらせによって、逆に生きる目的(犯人を挙げる事)が出来て生き生きし始めるというドラマ全体の流れを、「毎回最初にレコードの針を落としてホッジスの1日が始まる」で表現しているのがセンスがある。ホッジスはカントリーがメインで、グレイディはパンクを聞いている、というように音楽が印象的に使われいた。

アメリカのドラマらしく、登場人物の掘り下げ方が深いせいで、話が逸れることがよくあるけど、このドラマは10話で終わるので、回り道する事なく進むから、一気に見る事ができると思う。ブレイディと母親とのシーンはなんとも言えず嫌な感じなので観てられない。嫌な気持ちを誰にぶつければいいのかも分からない(これも内面掘り起こしすぎて感情移入させてしまうアメリカのドラマ)のが辛い。

ドラマ全体の雰囲気としてはなんとなくクリント・イーストウッドの映画のような雰囲気がある(主人公がおじいちゃんだし)。中盤から急に胸ぐら掴んでぐぐっと引き寄せるような展開も似ているかな。現在シーズン3まで公開済みのようなので、また続きを観てみようかな。
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