イエローオーシャン

世にも奇妙な君物語のイエローオーシャンのネタバレレビュー・内容・結末

世にも奇妙な君物語(2021年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1.ひょんなことからシェアハウスの住人に拾われ、住人同士が不思議な距離感で住むシェアハウスにお邪魔することになる。「シェアハウス」という勝手にメリットを感じてしまう空間が、実は監視しあって(犯罪行為を防いで)いて、共有するというよりは抑制し合うというマイナスな作用を働かせるために共に住んでいるというオチにゾッとした。

2.「リア充」が最も評価され、コミュニケーション能力という強みが最大の武器になる世界の物語。弁護士を目指し勉強に力を入れていた主人公の姉は国民の中から無作為に選ばれる「リア充裁判」で不合格となりハロパやクリパ、シェアハウスに移住など人格が変わってしまった。それを悲しく思う主人公が裁判で、絵に描いたようなリア充(留学でたいして仲良くない人との写真、内容のないコメント、上辺のような友人関係、パーティーなど)は否定され目で見て相手の気持ちを汲み取るコミュニケーションが評価されたと思ったが、実際はその裁判内容は全て彼女の妄想。リア充な人々はとっくに就職活動を終わらせていて、「コミュ障」の主人公だけまだ就職活動を続けていた。
結局なんだかんだ見た目が良く要領よく遊んで人の手を借りて口が達者な人が上手く生きてく世界だよねぇ😌

3.佐藤勝利演じる幼稚園教論の金山が主人公。園児が1年で1度は行事で脚光(スター)になれるように優遇することで親からのクレームを減らすという園の方向性に反発する金山。一人一人の個性があってそれを尊重することが大切だという信念で行動している。この1年一度も目立つことなく運動会が目立てる最後のチャンスの内気な園児を園の方針に逆らい実況係にする。その作戦は見事に成功で、園児の個性を生かしたと思われたが実はそれは父母の作戦。園が子供を均等に目立たせるように表を作っているように、父母も教論達のやる気を出させるために表を作っていた。今回の金山も父母が作り上げた成功体験だった。
両者で表を作りあって人の上に立ちチャンスを割り振る神のような立ち位置になっているような錯覚をしている登場人物達が面白かった。

4.ネットニュース記事を書くことが仕事の田中麗奈。記事の注目度を高めるため(アクセス数を増やすため)13.5文字で人の目を引くような過激な言葉を見出しに使い、上司からも苦言を呈されていた。しかし「記事を多くの人に見てもらうため。記事で取り上げられた人への注目を集めるため」と過度な表現を直す気はない。「すぐ修正できるのがネットニュースの良いところ」「注目を浴びるから修正できる」という構えを崩さず、実際に書いているゴシップ記事のアクセス数はとても良い。息子が授業参観で「自分は母のようなニュースを伝える人になりたい」と発表する。母親の真似をしたという息子は黒板に【ママ 浮気疑いパパの財布強奪】【家庭放り同僚と不倫 息子暴露】【パパ無実 ママ暴走逆ギレの夜】と模造紙を張る。どうでもいいことを記事にして、誤解を招く言葉で、、、と息子に言うが普段自分が仕事でしていることであり上司から言われていた言葉をそのまま息子に向けているだけであった。子供の無邪気さや好奇心が時に刃となるイヤミスだった。

5.今まで登場してきた脇役+上田竜也が主演オーディションに挑む話。ステージには演者しかおらずずっと定点カメラで録画されている。候補者は脇役らしい振る舞い(状況説明をしてしまう、空気が重くなると「お腹がすいた」と言って空気を和ませる食いしん坊キャラなど)をした者から不合格となる。最後まで上田竜也は残るが、主演らしい振る舞いをすることが難しく脇役が合っているのではないかと思い始める。主演としてどう振る舞うか考え込んでいると舞台の端から布をかぶって寝ていた(天才)子役が現れ、「あぁやはり天才子役が主演だよな」と思った瞬間に上田竜也は不合格となる。