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サンクチュアリ -聖域-のnaoyeahのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.0
相撲は儲かるんや。

そうみたいです。だからこれまでも若い力士がお金の使い方も知らず、強くなって稼いで問題を起こすことたびたびあったわけで。部屋内でのイジメやしごきも、勝てば官軍負ければ賊軍の考え方がしみついたところで、いかに語りかけて教えようと思ってもできないわけで。

本作もそんな問題部分をオブラート包まず、真正面から描いている。少しでも想像力があって、他人の痛みがわかるのであれば、暴力や嫌がらせとかは過剰にまではできないはずだが、そういうものを学んでこなかった場合は仕方ない部分はあるのかもしれない。

相撲というのはよくわからないもので、勝つのは当たり前だけど、それとともに礼節も重んじられる。
「勝ちゃええんちゃ!!」と言う主人公はもっともで、持ち前の強さと、人の見様見真似で獲得した技術で勝ちを続けていく。
しかし、ある程度はなんとかなっても、その先へはなかなか行けなくなる。先へ行くため、必死に稽古をし、それまで馬鹿にしてきた先輩たちに教えてを乞うて、どんどん強くなっていく。そんな中で、ふいに神棚に向かって綺麗な礼をしている主人公がいた。あまりにも美しい所作。なにかに打ち込み続けていくことで、自然と人間を超越したなにかへの感謝の気持ちが出てきたのかなと思う。

やっぱり礼節なんて教えられるものじゃないのかもしれない。心技体の順番で、最後にくるのが心なのかも。
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