愛能う限り…娘を愛せない母と、母に愛されたい娘。母と娘それぞれの視点によって描かれる、ある事件の真相を描く。ルミ子が夫と出会い、清佳が生まれる。ルミ子の母親の言う通りに生きてきたルミ子は、理想通りの幸せな家庭を築いていく一方で、少しずつ予想外の出来事が起きていきます。ルミ子と清佳、同じ出来事を２人の視点で見せる演出はとても面白かったです。「毒親」とは一言では言えない関係性。周りから見たら理想的な完璧な家庭であっても、お金持ちの農家であっても…満たされない心から他人や社会に異常なほどに執着し、自分の思い通りにしようとするのが人間。母親として、妻として、女性として、何が“母性”なのかは観た人それぞれ違うのだろうけど、中身が子供のままの親だっているし、中身が大人な子供だっている。色々と考えさせられる、どう家族と社会と向き合って生きていくのかメッセージ性が込められた作品でした。母性とは最初から身についているものではなく、学びながら経験しながら身についていくもの。
中盤からはルミ子が夫の実家に移り住み、嫁と姑の日常が描かれています。高畑淳子演じるこの姑が強烈なキャラクター！嫁いびりが凄くて、鬼姑が凄いのなんのって！戸田恵梨香も永野芽郁も大地真央も迫真の演技でしたが、とにかく高畑淳子は凄かった(笑)
ミステリー要素が少ない展開で淡々していましたが人間のドロドロした狂気を感じる映画でした。
