このレビューはネタバレを含みます
もっとドギツイ毒親ものだと思った。
けど、自分の性格上、ルミ子の気持ちも、清佳の気持ちも…どことなく、分かるような気がした。
ルミ子と清佳、それぞれの真実が違うからどっちが本当なんだ?って思ったけど、この作品においてそこは重要じゃないんだなって思った。それぞれの感じ方があるよって話で、それよりも母の愛が欲しい娘と、いつまでも娘でいたい女の話で、真実なんてどっちでもいいんだなと。
"女には2種類あること""母と娘です"
"いつまでも誰かの娘のままでいたい、そういう女性もいるんです"
…母が大好きな私は少しだけ分かる気がする。
まぁ、誰かの娘というよりも、自分の母ってだけだから、このセリフのままの人ではないんだろうけど。
一方、ルミ子は本当にそのセリフのままの人だなと思った。
あんなに嫌なほどいびられた義母だけど、彼女にとっては"母"だから、娘として最後まで尽くしまくった。そうしたら、義母は実の息子は忘れてるのにルミ子を"私の大切な娘なの"と言うほどの関係性になってることに恐怖すら感じる。
そしてさらにそれを上回ったのは、清佳がルミ子に妊娠報告したシーン。
『怖がらなくてもいいのよ』
『私たちの命を未来に繋げてくれてありがとう』
これ、1つ目のセリフ…もしかしたらルミ子が心から母親という立場で清佳を安心させるための言葉だったらいいなと思うけど、
2つ目のセリフの、"私たちの命"の部分には確実にルミ子の母のことも入ってて、それは娘としての「ありがとう」の言葉で…最後の最後まで娘なんだ、この人ってゾクッとした。
そして、何よりハコヅメよりも前にこの作品撮ってたって言うから、なんか、この二人の関係性って凄いし面白いなって思う。
こんな親子関係からあんないい味なバディを演じられる2人すごい。
ハコヅメが見たくなった。