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母性のksmyのネタバレレビュー・内容・結末

母性(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

母の前に女。母と女。はよく比較対象としてあがるけれども、母である前に娘。自分の中の母と自分の中の娘。が比較されることは少ないので題材として面白かった。

私も母娘の娘として生まれ、出産し、子の母になった。私の母はやや戸田恵梨香側(元お嬢様で実母とべったり。結婚しても毎日通い、親を喜ばせたい気持ちが強く、子供達はその道具に近い。)であり、その母から私達4人の娘が産まれたけれどみんな立ち位置はバラバラだ。実際は2択のどちらかで割り切れるものでもない。

私自身はどうかというと母性は最初からほぼ無い。
ほぼ無いのは自覚があり、途中で芽生えなかったのも仕方ないことなので、親としての義務感・責任感に加えて、友達親子のような親しみで子に接する部分が多いけれど、かと言って我が子にわざわざ冷たく接する必要も無いし、実母から特別もっと愛されたかったという渇望も無い。
母のことは理解しきれないし、母にも私のことは理解できないし、子から理解されるとも思っていないし、子のことを理解できるとも思えない。

ただ実母とも母性で繋がらず、実子とも母性で繋がらず、完全に個人主義に成長したわけだ。

母は母で私は私で子は子でしかない。
みんなが不快無く楽しく暮らせればALLOK。
あくまで人間対人間対人間で、そこに血のつながりや母性の特別な絆は感じない。

そんな自分だからか、母性が目覚めない人間がいること、母性は自然発生する本能ではないということ、そーゆー女もいるということ、はわかりきっていて違和感もない。(母性信者の人達からは化け物みたいな目で見られることもあるけど)逆に母性への理想や憧れや妄想や幻想を抱く人(男も女も)が多くて不思議な気持ちにすらなる。

この話は父性や男性や男の子の介入の仕方もポイントだと思ったけれど映画ではほとんど削られていた。
原作は設定もエピソードも映画よりボリュームがあり、サスペンス感も段違いなのでまた違った印象だけれど、
映画は映画でごくシンプルで万人に分かり易い作りになっていると思う。
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