何にでも言葉を与えカテゴライズされがちな昨今。
その筆頭として古くからある「母性」という呪いとも呼べる絶大な力を持った言葉に個を奪われていく母の姿を描いた本作。
母親ならば。
娘ならば。
それぞれが与えられた役割を果たそうと奔走し、呑まれていく。
物語としての面白さとしては、派手さがあるわけでもなければ大きな事件が起きる訳でもないため中々に評価し難く、ミスリードであったであろう冒頭の少女の自死に関しても映像化したことにより衝撃度が薄まってしまっていた。
しかしながら全体的によく出来ており、抑圧された社会への疑問の啓発としては大変いい映画なのではないかと思った。
2022年12月13日 午後4:01 公開のクローズアップ現代での作者のインタビューを合わせて読めば理解が深められるかと思います。