"TALK TO ME"
蝋燭に火を灯し、青白く不気味な石膏の手を握りそう囁くと、握ったものの前にだけ霊が現れる。
スリルと絶頂が共存する空気感の中、若者たちはその異様な遊びに夢中になり、そして魅入られてしまうといった作品。
Youtuberが監督をしていて低予算だと聞いていたのだが、全くそれらを感じさせることなく結構おもしろかった。
特に序盤の降霊術のシーン。あまり褒めるのもよくないのだろうけど、降霊術という古典的なテーマに対して、まるでトリップしているかのようにバンバン若者が降霊を繰り返し、仮初の団結が生まれていく感じや、孤独をトリガーにしているのは王道でありながら、とても現代的なアプローチで凄くいいなと思った。
あとは伏線がしっかりしているところもいい。作品はずっとこちら側に語りかけてきていたはずなのに、見たいものを見ようとしてしまうあまりか、演出にしてやられたのか終わる直前まで気付くことが出来なかった。
強烈なホラーを期待して見ると少しばかり肩透かしを食らいそうではあるので、ジャンプスケアなどの表現が好きな方はあまり楽しめないかもしれないが、個人的にはホラー部分以外も含めてとても良くできた映画でそこそこお気に入り。