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大河への道のIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

大河への道(2022年製作の映画)
3.7
歴史好きなせいか、結構面白かった。笑いがあって、歴史の勉強にもなって、ちょっとほろりとさせられて、前向きな気持ちになれて、着物姿の北川景子が拝める、という、現代劇と時代劇を織り交ぜた、大変お得なコメディ映画。
現代劇の方は、町興しの為に地元の偉人である伊能忠敬を大河ドラマに売り込もうと、企画書・脚本の作成を目指す話。時代劇の方は、伊能忠敬の死後、どのようにして実測地図「大日本沿海輿地全図」が完成したかを推理・推察した話。
原作は立川志の輔の新作落語(創作落語)だそうで、大変人気の演目らしい。人気があるということは、当然話が面白いということなので、映画もやっぱり面白かった。
日本人の平均寿命が50歳を超えたのは、戦後1947年以降らしいのですが、江戸時代の偉人・伊能忠敬は、50歳を過ぎて地球一周分の距離を歩き、オーパーツのごとき精巧な日本地図を作ったという。この伊能忠敬の偉業は、現代の高齢者にも夢と希望を与えると思う。ただ、実際に日本地図を完成させたのは、伊能忠敬の弟子達であるのが事実らしい。果たして、伊能忠敬が凄いのか?伊能忠敬の意志を引き継いだ弟子たちが凄いのか?答えは簡単、全員凄い。
つまりは、歴史に名を残すのは、その偉業の代表者であって、その周りには、多くの名も知らない偉人達がいるということ。
個人主義が当たり前のような近年の日本ではありますが、おそらく今も、私利私欲を捨て、世のため人のためと、為すべきことを見つけ、邁進している未来の偉人が、今の日本にもきっといるのでしょう。そして、年齢に関係なく、これから為すべきことを見つけ、新しい一歩を踏み出す人も、またいらっしゃるに違いない。
面白おかしく、歴史ロマンもあって、色々と考えさせられる良い映画でした。
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