森絵都の小説でアニメ映画にもなった『Colorful』を原作にしたタイ映画『HOME STAY』を日本リメイクした今作。
きれいで感動的なパッケージで包まれているから、一見すると素敵な映画だけど、アウティング問題に対する仕方など、メッセージを補完するはずの枝葉の部分がかなり雑で掛け値なしに褒められない。
例えば、原作やアニメ映画では、これが全てだと思っていた世界の外を知ることで個の“色彩”と世界は自分次第というメッセージが浮き上がってくるのだが、今作は元々あった世界だけで進んでいくので、同じメッセージを発信していても自分が悪いという意味合いが生まれかねない。
そこに前述した“雑さ”も相まって、実際に極限の状態に立たされている人が観たとしたら責められていると感じてしまうのではないかと思った。