ベルリン国際映画祭のエンカウンターズ部門にて上映されたサスペンス映画。
ハリウッドでタレントエージェントとして働き、美しい婚約者との結婚も間近な人生順風満帆の主人公は、ある日一通の見知らぬ相手とのセックスへの誘いの招待状を受け取り人生が一変して行く…
欲求不満に自己顕示欲、有害な男らしさにネットの闇…自分を良く見せたいあまりに自己を見失い狂っていく男の姿は差し詰め2020年代のアメリカンサイコか？
しかし、狂気すぎてあまりに論理的でない主人公は、サスペンスのハラハラよりイライラが募る…

ヨーテボリ映画祭にて。

スリラーとブラックコメディのミックスかな。ジム・カミングスとPJマッケイブ共同監督脚本、出演。ジムは主役のジョーダン役。

ジム・カミングスって「サンダーロード」の時も思ったが、ちょっと演技がジム・キャリーっぽい。この役は特にそう見える。

ハリウッドのエージェントのジョーダンはある日怪しく美しい招待状を受け取り指示通りに行ったところ……翌日からやる気漲りガンガン仕事するように。

「アイズ・ワイド・シャット」と「アメリカン・サイコ」の臭いほんのりあり。
ハリウッドの映画産業を皮肉ったのかと思っていたが違う。

すべてが上手くいっている成功していると言い聞かせ奮い立たせ仕事をこなし、空虚な現実や自分とのギャップに悩む。それでも周囲からは羨望されたい。美しい婚約者と高級車と家を手に入れ成功者に見える彼もホテルでは肩書きは無意味で一人の客だし、膨大なデータの中の一つかみの情報にすぎないんだな。

虚しさと偽りが招いた行く末が一見ポジティブだがビミョーに嫌な感じがするよ。

真新しさがあるわけではないが、テンポがよく、ジム・カミングスの半コミカルな演技もあいまって面白かった。(どうしてもジム・キャリーがちらつくけども)

※電子タバコを吸う主人公を初めて見た映画かもしれない。

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