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ダウントン・アビー/新たなる時代への裾のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

変わるもの。時代、歴史、流行、からだ、こころ、いのち。変わらないもの。繋がり、ロマンス、家族、魂、希望、愛、ダウントン・アビー。ずっと守り続けてくれる優しさとあたたかさ、開始五分でもう全方位に感じて泣いちゃった。感受性高くてかわいいやつ。

「新たなる時代」のタイトルの通り、新しい家族を得たトム、当主の威厳とウィットに富む言葉の数々をすっかり自分のものにしたメアリー、厳しくも愛ある言葉で他者を励ますデイジー、執事の姿がすっかり板についたトーマス、それぞれの魂の継承を感じてジーンときた。てか、まさか、トーマスをこんなに素直に愛せる日が来るなんて、な……。メアリーと映画監督のロマンスの予感にバイオレットの過去を重ねる演出がまた憎い。かくあるべしというプライドを強く持てる人は、きっと誠実で愛ある人で、だから苦難が多いのね。

などと言いつつラストの衝撃と感動でしばらくずーっとそのシーンのことばかりを考えていた。でも、あれ以上の幕切れなんてきっと無いって思えるくらい、全部が綺麗で……そのタイミングがあまりに出来すぎてることも含めて、美しいエンディングだったな。ひとり佇むイザベルの表情、どんなときも気丈だったパットモアさんすら手を止めて涙を流す一瞬、全部に息吹く余韻と愛。ドラマ版含め色んな衣装を見てきたけど、ラストの喪服の一家が、どこかいちばん清々しくも誇らしくも見えた。

いつもいつまでも、人生に大切なことを全部教えてくれるドラマです。生まれ変わったら絶対英国貴族になります(?)。本当に本当にいつまでも𝑯𝒂𝒑𝒑𝒊𝒍𝒚 𝑬𝒗𝒆𝒓 𝑨𝒇𝒕𝒆𝒓であれ(そして私がバイオレットおばあちゃまと同い年になるまで永遠に続編を作ってください)。
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