悠

マッドゴッドの悠のレビュー・感想・評価

マッドゴッド(2021年製作の映画)
4.0
想像していた10倍はMADな映画でした。クリーチャーだらけで労災発生しまくりの世界を舞台に、ひたすらにグッチャグッチャという嫌な音とグロテスクで脈絡のない映像が流れていて、映画というよりも一種の洗脳体験に近く、普通に観ている方の気が狂いそうになります。
「高熱の時に見る夢」という表現がありますが、そんなヌルいものではありません。あらゆる薬物や酒を大量摂取した後、ゲロまみれの便器に顔突っ込んで糞垂れ流しながらくたばってる時に見る夢でした。「考えるな、感じろ。」な右脳派映画は数あれど、これほどまでに整合性がなく強烈なインパクトを残す作品は数少ないと思います。一応下地としては『メトロポリス』や『2001年宇宙の旅』といったSF古典からの影響は感じましたが、ひたすらティペットが好き放題に創造性を爆発させまくっていて、オリジナリティ溢れまくりな作品に仕上がっていました。
考察する気も起きないような映画ですが、とりあえずわかったのはMAD GODというタイトルがこの作品を創造したフィル・ティペット自身を表すのにぴったりなタイトルなのだということです。
悠