年収5万

マッドゴッドの年収5万のネタバレレビュー・内容・結末

マッドゴッド(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ただひたすらカッコイイ!
造形、デザイン、ライティング、不気味な音楽、SE、
全部かっこいです。
途中あれやこれのプラモかフィギアが流用されてるのがちょっとおもしろい。

ここからは勝手な解釈だけど
体からいろいろなモノが摘出されるのは、主人公の魂を表面から奥に向かって掘られてるのだと思った。
最初は宝石やコイン、装飾品などの俗っぽいものが出てきて
次に書物。知識や精神を形作ったもの。
そして死んだ魂が出てきて、
最後に奥底から息をしている赤子の(本人の)魂が出てくる。
これが人間の最後まで消えないインナーチャイルド的なものなのかと。

で、それがインゴットに変換されすり潰され、宇宙が創生される。
そして繰り返される凄惨な光景。
神(マッドゴッド)は劇中に登場してきたクリーチャーじゃなくて、主人公のことであって、神は己の中にいる。ということだろうか?

だとするとあのグロテスクな光景は他人事じゃなくて自己の投影ということになる

となるといくつも放置されてたアタッシュケースも、世界を何度も繰り返してるという意味で納得がいく。
地下に行く→破壊出来ずに捕まる→魂を摘出される→宇宙を創生する→地下に行く の繰り返し
で、最後に時計が動いて爆弾が起動し、鳩時計が鳴くのは朝を告げるニワトリのように、新しい世界が始まった福音なのだろうか

劇中で何度も出ている目が、観測する象徴で、モニター越しとかレーダー越しに『観る』行為が重要なものに描かれると思うんだけど理解力不足で理解しきれず。


そもそも、凄惨な光景はこの現世の投影であって「神よ、お前の作った世界はこんなんだぞ。よってお前は狂ってる」っていうメッセージにも感じた。

根底にあるのは一神教の神への怒りだろうか?
ハーラン・エリスンの『死の鳥』にも通じるようなものを感じた。
年収5万

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