このレビューはネタバレを含みます
オジサンになって初めて観たので、子供心にどう感じるかは分からない。
ケバケバしい色の、甘ったるいお菓子みたいな映画
散発的に『魔法世界あるある』みたいな、魔法シーンが差し込まれ、アトラクションのための映像みたい
主人公が何をしたいのか分からない。
なんの葛藤も欲求も無い。
冒頭に虐待されてるシーンがあるが、それ以降は才能に恵まれ、贔屓され、何をしても許されるという役回りで、ひたすら作者に甘やかされる感じ
『里親の元で虐待されている』という出来事が、
主人公の人格形成に影響を与えていないというのも変だし、
『いじわるそうな級友の誘いを断る』というのも、
なぜ断ったのか、なぜ断る勇気があったのかという理由付けが、そう演出されてるからとしか言いようがない。
なんとなくキャラの感情が薄めに描かてるのが全体の特徴のような気がする。
出来事によってキャラの感情が動かない。
モブが競技でくっそーと言うだけで、主人公は虐待されても平気な顔をしてる。
先輩キャラも、後輩が抜擢されても嫉妬も見せないのがなんとなく不気味。
ほぼ唯一感情を見せるのは、女の子がいじわるなこと言われて便所こもって泣くという、やや唐突なシーン。
作者が女性だから?
もっと、「劣等生でまわりの期待に応えられない」とか、
「親の復讐にこだわって力を正しく使えない、闇の力に落ちそう」とか
「とにかくスケベで魔法とかに興味ない」
みたいな、そういうタイプが観たいと感じたんだけど、
この作品が爆発的にヒットしてるってことはこんなのは求められてないんだろうか。
とにかく主人公がいい子ちゃんすぎて好感が持てないし、自分の考えも無いから共感もない。
なんかママから見た子供像をそのままキャラクターに落とし込んだような?感じ。
作品を大雑把に評価すれば『魔法』というサブカルを、
『ディズニー』や『ニンテンドー』的な、誰もが楽しめる、
メインストリームの文法に落とし込む試み。