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L'udienza(原題)
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『L'udienza(原題)』に投稿された感想・評価

I.A. 25-111。イタリア語版。字幕なし。追悼カルディナーレ。

主演のエンツォ・ヤンナッチ(Enzo Jannacci 1935 – 2013)は「ミラノ出身のカンタウトーレで、風刺と庶民への共感を独特の笑いで表現した芸術家。俳優・医師としても活動した多才な人物」(@ChatGPT)。なるほど、メガネをかけるとインテリ見える。実際心臓外科医としても活躍したようだし、演劇そして映画と活動の幅は広い。

そんな彼だから「神を愛する(amare dio)」という名前の主人公アメデオ(Amedeo)の依代として説得力がある。休暇中の軍人なのだが、教皇の接見のためにヴァチカンにやって来ると、「軽々しく教皇様に話しかけないでください」という説明に、「それは禁止ということなのですか?」「わたしはお話をさせてもらうためにはるばるきたのです」と譲らないことから、そのまま集団接見の場から連れてゆかれ、セリフにも出て来るようにカフカ的な教会官僚制の迷宮のなかに迷い込むことになる。

最初に彼の話を聞くのが、どうやらこうした妙な人物を専門に担当してきたディアス(ウーゴ・トニャッツィ)。ヴァチカンの私服警察といったらよいのだろうか、言葉は丁寧だが押しが強く、思いやりがありそうで得体がしれない。そのディアスが特別に紹介してやろうと、アメデオに電話番号を渡した相手がクラウディア・カルディナーレが演じるアイケ。

なぜこんな美女の電話番号がわたされたのか。そう思っている間に、アメデオは彼女に気に入れたようだ。やがてアイケは、どうやらヴァチカン界隈の高級娼婦のようだとわかって来る。どういうわけかアメデオを気に入って、彼が教皇に接見できるように重要人物に引き合わせてくれるというのだが、それがヴィットリオ・ガズマンの演じるドナーティ公・この貴族もまた実に得体が知れない。それでもアイケのためならばと、例のサービス(!?)を頼んでから、接見のための縁故を探してくれることになる。

こうして引き合わされるのがアメリン神父(ミッシェル・ピコリ)でありベルギーの神学者(アラン・キューニー)なのだが、どこまでいってアメデオは教皇に近づくどころか、たらい回しにされるだけ。まさにカフカ的な迷宮なのだ。

そのうちアイケ/カルディナーレの妊娠が発覚したり、修道院に囚人のように閉じ込められたりするのだけど、アメデオの意志は硬く、強行突破してでも教皇に会おうとする。この強引さが物語を駆動力。あえて言葉にすれば「愛」なのだろうな。なにしろアメデオというは名前は「アマーレ・ディオ(神を愛する人)」なのだから。

けれどもその愛が、なんだかアイドルを見上げてその名前を呼びながら涙して、少しで目が合えば失神してしまうような、そんなファンのそれに近いのがご愛嬌。そもそもアイドルとは崇拝される偶像のことだから、こちらほうが先にあったものだしね。

それにしても、カルディナーレの清潔なエロスが最高だ。アメデオの純粋さにまるで少女のように惹かれ、娼婦のように媚びると、母親のように抱きしめる。そのファッションもすばらしい。エロティックなものからサイケ調のものまで見事に着こなす様は、さながらファッションショー。こういうのがある映画は観ていて楽しい。

ラストはブラックユーモア。神の家なのだからと助けを求めても、ほんとうに死にそうになって庇護をもとめていてもなお、ここは私人の家だからとスイスの傭兵に追い払われて、サン・ピエトロの柱廊のもとで冷たくなるのだけど、その悲劇をうけるのがウーゴ・トニャッツィだから、ぐっと軽くなる。

それだけではない、なんとアメデオのような別の男が現れて、すべてが振り出しに戻るという仕掛けは見事。この迷宮世界は、なんとも嘘くさく偽善だらけなのに頑迷に中心にたどり着くことを拒む冷たいものなのだが、唯一暖かくて嘘くさくなく純粋に見えるものは、たとえその純粋さが偽善だったとしても、あのクラウディア・カルディナーレの微笑みと涙が記憶に残る。

ぼくは、マルコ・フェッレーリにしては名作だと思った。というか、最近彼のアイロニーとかユーモアがだんだんわかるようになってきたのかも...


***
傑作だと思うけど日本未公開で日本語付きのソフトも見当たらない。

ネットでは閲覧できる。I.A. のアドレスはこれ(イタリア語版で字幕なし):https://archive.org/details/udienza-marco-ferreri-1972-color-400p

Y.T. でも試聴化。スペイン語の字幕が選択できるから、自動翻訳を使えばかろうじて意味が通じる日本語にしてもらえる:
https://www.youtube.com/watch?v=VvKcFEgpRFo