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ある夜警の視点からのadeamのレビュー・感想・評価

ある夜警の視点から(1977年製作の映画)
2.5
警備員の男のモノローグとその日々の光景を描きクラクフ映画祭でグランプリを獲得したというキェシロフスキの短編ドキュメンタリー。
警備員に与えられた荷物検査や没収というささやかな権力の行使に喜びを感じるという告白は、男を惨めな小市民として見せるだけでなく、平凡な人物が権力の魔力に取り込まれることの恐ろしさをも感じさせます。
今作のドキュメントとフィクションの良いとこ取りをしたような作風は、自身のスタイルをキェシロフスキが確立しつつあることが分かり、その試行錯誤が次の長編「アマチュア」で結実することを予感させるものでした。
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