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All the Vermeers in New York(原題)
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『All the Vermeers in New York(原題)』に投稿された感想・評価

CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.2
【美術館でナンパする男】
「死ぬまでに観たい映画1001本」に掲載されている『Last Chants for a Slow Dance』のジョン・ジョスト監督作『ALL THE VERMEERS IN NEW YORK』がMUBIにて配信されていた。彼の作品はどれも観賞難易度Sクラスなので貴重な機会だ。というわけで観てみました。

1990年にハル・ハートリーの傑作『トラスト・ミー』と骨格が同じ映画が作られていたとは驚愕だ。本作はよくあるボーイ・ミーツ・ガールものなのだが、両作とも共通して静なる女性と動なる男性の邂逅を描いている。アンニュイな女性の生活と、株式ブローカーで騒々しいオフィスでストレスフルに仕事する男性が描かれる。そして美術館でっフェルメールを見る女性に、彼が一目惚れしてナンパし始めるのだ。よく、日本の美術館でも女性が鑑賞中に、無駄に絡んでくるおじさんが問題となるが、あの感覚で本作のおじさんはナンパを始めるのだ。しかし、どう言うことだろうか、その場面のショットが異様にカッコいいのです。絵画を見る人を見る構図に始まり、手紙を渡す手の仕草。顔の切り返し、シンプルながらもスタイリッシュにショットを繋いでいく姿にジョン・ジョストの只ならぬ才能を見出します。話自体は、ナンパして、ちょっと付き合って見るといったしょうもないものなのだが、オフィスのごちゃついた様子も含めて映画を観ている多幸感に包まれることでしょう。
「彼は死んだ。永久に死んだのか?誰がそうと言い切れるだろうか。降霊術の実験も宗教のドグマと同様に魂が不滅であるとは証明できない。ただ言えるのは、この世では、あたかも前世に負わされた義務を背負って生まれてきたかのように全てが運ぶということだ。この地上での生存条件では、必ずいいことをして、細かな心遣いをせねばならないと考える理由、礼儀正しくなければならぬと考える理由さえなく、教養ある芸術家が同じ作品を何度も書き直さねばいけないと信じる理由もどこにもない。その作品を人に感心させたところで虫に食われた彼の肉体には何のこともない。わずかにフェルメールと推測されるだけに過ぎないこの芸術家が、知識と技巧、全てをもって描いたあの黄色い壁のように」
アドルノにも引用された『失われたときを求めて』の一節で幕を閉じるこの映画は、男の視線のもとで欲望の対象となる絵画と女が金銭を媒介して、等号で結びつけられる。だが、絵画=金銭=女という等式は、被写体がこちらにその生々しい視線を送り返すときに崩壊する。そして、言わずもがな、この視線は劇中の俗っぽい男、マークだけでなく、我々観客にも送り返される。エマニュエル・ショーレ演じるアンナは何度も扉を開けて登場する冒頭において既に、観客たちを撹乱する。オフで唇を震わす不快な音が流れる中で、アンナは何故か服装を変えて観客たちの前に姿を現す。時間的な連続性が崩される。『失われた時を求めて』に登場する作家のベルゴットが、『デルフト眺望』の黄色い小さな壁を見つけ出そうとして死んだように、マークも観客もアンナに何かを見出そうとするが、結局徒労に終わる。マークがいくら感動的にアンナへの愛を伝えたところで、電話を媒介している時点で、金銭=女という等号はマークの中に保存されている。このことの致死性に気づかないから、マークは金銭を操る武器であった耳から血を垂れ流して死んでいく。女はフェルメールの絵画の女のように我々に視線を送り返して、映画は幕を閉じる。芸術家の魂の不死を称えた一節は、アイロニーへと変わり、マークと観客の鼓膜を震わせる。
反射したショーレが見事に額縁に収められるショットは、異様なまでに美しい。
イワシ

イワシの感想・評価

3.8
芸術と金というシビアな主題を描きつつ、メトロポリタン美術館のフェルメールを鑑賞するシーンではそのような主題を超えた芸術の特権が現れる。絵画を前にしたときの時間感覚と思考の様態がこの映画を鑑賞する者の頭の中で再現される。