サンヨンイチ

ONE PIECE FILM REDのサンヨンイチのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.4
原作は単行本で追っているものの
ONE PIECE映画作品は初めて。

評価が二分されている印象を受けるが、
肯定派は本作単体の面白さを見出だし
お祭り要素も含めて楽しんでいる様子。
一方で否定派は
過去の作品と比較すると
期待値を少し下回ったようなリアクションが伺える。

尾田栄一郎が製作に加わる「FILM」シリーズの一作である以上、
原作との密接性を求めたくなるのは必然的かもしれない。

しかし本作の最たる見所の一つは
紛れもなく、Adoとウタのリンクの実現度の高さにあり、
この点においては圧巻のパフォーマンスと評価するに相応しい。
「新時代」「私は最強」「逆光」など、
Ado自身が置かれている現在地点とも重なる歌詞は
様々なスタイルのメロディ合わせて
百花繚乱と咲き乱れる。
バトルシーンのアニメーションもまた、
ポップな可愛らしさもあり、劇画タッチの渋さもあり、
本作のストーリーから逸脱しない程度に魅せられる
バリエーションはほぼ網羅しているように思える。

Ado/ウタの生き様を投影したようなライブシーンの激しさは
それこそ"LIVE"と呼ぶに値する
新機軸映画体験に思う。

ストーリーだけが映画ではないということを
本作は強く訴求している。