風来坊

デイ・オブ・クライシス ヨーロッパが震撼した日の風来坊のレビュー・感想・評価

3.5
フィンランドのベストセラー小説の映画化。
夜の街を封鎖してのカーチェイスなど予算も付いた大作らしい。日本では劇場スルーですが、本国では大ヒットを記録した作品でいわゆるB級映画とは違いますね。

しかし…EUの精鋭を集めたサイバー犯罪の専門部隊が、侵入する住居の子どもを見逃すって…。精鋭部隊って聞いた後にこれは…ちょっと冒頭から何かノレない躓きポイント…。
終盤まで敵側に主導権があってやられっぱなしなので、展開が一辺倒でちょっと飽きて来てしまう…。

終盤でやっと「24」のジャック・バウワーが敵国に単独で乗り込む展開のような感じでアクションとして盛り上がって来ます。
銃撃戦や爆発は派手さは無いですが、リアリティーがあり緊張感がありますね。

最近やっと加盟国になりましたが、この話の中ではフィンランドはEU加盟国ではあるがNATOには関係しておらず隣国ロシアの影に揺れているという微妙な立ち位置。
こういうポリティカルアクションは当事国の政治的な立ち位置を少しでも、頭に入れると更に面白くなって来ます。

日本の政治と一緒で何の役に立たない政治家や省庁を皮肉っている場面もあり、何処の国も一緒なんだなと痛感。
カッコ良く終わったような感じもするが、ロシア女やあの男は野放しでモヤモヤは残る…。

きっと原作は続きがあるんだろうと思いますね。フィンランド版の「24」を目指した感じではありますが、ちょっと話的にエンジンが掛かるのが遅かったですね…。それでもリアリティーのあるアクションとお話はなかなか面白いと思いました。
風来坊

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