最初はただひたすら気持ち悪かった頭頭が、なんだかいつの間にか美味しそうというか、気になるというか、全体的に嫌な停滞感が漂う３人の生活に、ふとした安心感を与える存在になってくる。どこまでが計算なのか。
おじいちゃんが息子に軽んじられショックを受けるシーンは確かに映画だと薄味の演出だが、コントの中としてはとてもちょうど良い。そして映画の中ではツッコんではいけない、というルールがちゃんと出来ているのも驚き。
松本人志はビデオという世界の天才だったんだろうか。ただしこれは松本人志監督作ではないので、未来に待ち受ける問題作の数々と比べてはいけない気がする。この先ちょっとずつ全盛期の松本作品を観たい。
個人的には「嫌な平成初期もの」として庵野さんの「ラブ&ポップ」等と並んで楽しみたい作品だった。
