ピースオブケイク

渇水のピースオブケイクのネタバレレビュー・内容・結末

渇水(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

また、生田斗真は難しい役にチャレンジしたなー。水道代を滞納している家庭を訪問し、支払いに応じない家庭の停水執行をしまくる水道局員の役。目も表情も渇きまくっている。払えるのに払わないおかしな奴はいいけど、まだ幼い子供2人を抱えたダメ母親はどうする?停めてしまうと罪のない子供たちの命の危険すらある。いやいや、停められないでしょう。でも規則だしねー、真面目な公務員としてはやるしかない。多分、毎日、毎日、ライフラインを断つという、滞納者からしたら悪魔のような嫌われ役を演じ続けて、心も完全に渇き切っててしまったんでしょう。前半は、そういう渇いた目の演技が光っていた。
それにしても、電気、ガスは滞納するとすぐに停められるのに、なぜ、水道局は待ってくれるんだろう?電気、ガスがなくても生きていけるけど、水がないと最悪、死んじゃうからかな?もし、そうだとすると、停水執行役の水道局員に委ねられた裁量権ってめちゃくちゃ重いなー、って思った。
だから、渇ききった目をした生田斗真演じる水道局員も、これまで仕事だと割り切って押さえつけていた感情が最後に爆発してしまったんやね。結果、勾留されちゃうし、水道局も首になるし、散々な目に遭うけど、目は潤っていた。親切な近所のおばちゃんや母親さえも嫌っていた少女たちの目にも、間違いなくヒーローとして映っていたと思う。
ダメ母親役の門脇麦と、その子供たち、特にお姉ちゃん役の子の演技も良かった!