このレビューはネタバレを含みます
映画観た感想なんて誰かに忖度するものでもないし、自分の記録の為のツールだからやっぱり書き直そうかと。
原作とは別物と捉えて、映像美や迫力ある音楽やキャストのビジュアルを楽しむものとすれば結構楽しめた。
作品全体の、人間として大切にすべきもののテーマはしっかりと踏襲されていたように思うけど、それは四月一日のキャラクターが溌剌としていてこそ深みが出るというか説得力があるというか。アヤカシは視えるし身寄りもない、けれど活気を持って日常を過ごしていて、その上で侑子さんや色々なモノと関わっていく中での彼の根本の変化にドラマがあると個人的には思う。
ひまわりちゃんにしても同様。テレビアニメ終盤の淡々と明るい声色で身の上を語る展開が結構衝撃的だったから、比較されて自身の境遇からただ逃げ続ける悲劇のヒロインみたいに映ってしまったなぁ。そっちのほうが普通とも考えられるけど、ありがちなヒロイン像に成り下がってしまった印象。
ただ、玉城ティナさんのビジュアル再現度は凄いと思った。というかエキストラの方々もう少しどうにかならなかったの。玉城さん以外のあの制服着てる人たち皆コスプレ感すごかったよ本当に。
あとアフレコがめっちゃアフレコだったんだけど、あんな事ある？
実写映画(しかも邦画)で表情と声にあんなに乖離を感じる事そうそう無いと思うんだけど…。
ラストも急展開だったなぁ。
原作がそうなってるからそうしました、みたいな。そこに至るまでの関係も成長も描ききれてない中でのあれはただのモノマネにしか見えなくて、神木さんが本当に可哀想に思えた。
あとこれは完全に個人的嗜好の域の話になるけれど、
アニメ版を観てる時は、四月一日と百目鬼の関係、もうちょっと描いてくれてもいいんだぜって思ってた。何ならちょっと物足りないなくらいに。あくまでそういう観点での話で。
ただ今回、ふんわりと"そういう"描き方をしてくれて、あ〜あれは描かれてないからこそ良かったんだ！！と。
とても申し訳ない気持ちになった。アニメ版の匙加減、おみそれしました。
原作の要点を掻い摘んでブワッと劇的に広げた結果、内容として陳腐になってしまったという印象かなぁ。
監督の世界観や出演者が好きな人は楽しめると思う。
柴咲コウさんの存在感は圧倒的だったし、個人的には橋本愛さんが素敵過ぎた。
もういっそ神木隆之介×橋本愛で二次創作してくれませんか監督、てな気持ち。
実写化ってやっぱり難しいんだねぇ。
