トムトム

メタモルフォーゼの縁側のトムトムのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.6
これはイイ! めっちゃイイ!

「好き」の初期衝動に年齢なんか関係は無いし、「好き」という事を表に出すのは疲れるし面倒臭い。
でも好きなことに没頭するのは楽しいんだーと高らかに宣言する快作。

もう芦田愛菜に脱帽です。

天才子役として評価されその万能性から芦田プロや人生を周回しているのでは?と言われる芦田愛菜ですが、正直大きくなってからはイイと思ったことはあまりありませんでした。

しかし今作の芦田愛菜は良い。メッチャ良い。

好きなものを語るときの段々早口になる様や肩をあまり上下させずにカクカク曲がって走るオタクムーブが完璧です。

いや僕も「映画のおすすめ教えてください。」なんて言われたら「少し考えさせてください。」と言った後に大量にDVD持ってきて早口でプレゼン始めますよ。

そして何より今作を特別なものにしているのは宮本信子です。

今作の宮本信子はちょっと天元突破していますよ。
めちゃくちゃキュートで素晴らしい。

「あの2人を見ていると応援したくなるの。がんばれーって。」とか
「あら、あら、あら、キッス。」とか最高ですよ。

この年の差バディがBLを語り、コミケに出ようと奮闘する様が最高に面白く、笑えて泣けます。

「絵が上手くなくちゃ漫画描いちゃいけないの?」は全ての趣味人に送りたい至言です。

そして今作は全てのクリエイターとそれを好きな人への讃歌です。

こんなん泣くわ。

「好き」を表出するのは疲れるし面倒臭いけれど、それでも伝える事の大切さを思い出させてくれます。

何かが好きな人に本当におすすめの作品です。

宮本信子で「海が走るエンドロール」の映画化いけるでしょ。
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