ジョバンニ

メタモルフォーゼの縁側のジョバンニのレビュー・感想・評価

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.7
とてもとても共感する場面がたくさんありました。内気で小心者で、クラスのキラキラした女の子たちに劣等感を抱く敏感な少女。留学したり、努力し続けて成功を掴んでいく子と自分を比べて自信をなくす姿。傷つくのが怖くて理想が高いから、好きなものを好きと言う自己開示のハードルも高くて悩んで…
でも、雪おばあちゃんに対して真っ直ぐに親切にできたり、他人を羨んで酷いことを言ってしまうと罪悪感でいっぱいになったり…
悩んで迷って、挑戦しては怖気付いて逃げてしまって、でも優しい彼女を愛してくれる友達に優しくされて…光が当たらなくても派手じゃなくても良い。小さな歓喜がある、とても素敵な青春だと思いました。

そして、1冊書きあげたことは凄いことだよ、うららちゃんは本当に凄いことをしたんだよ!!偉い偉い!!と褒めちぎりたくなりました。
それと同時に、自分のことも「あなたは凄いよ」と褒めてあげたくなりました。観ていると、留学していたあの子のようになりたい…と癖で思いかけたけれど、そんな風に自分を凄くないと思い込まなくても良いんだよな…と。

「せめて」の精神か……「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」「凄いことを成し遂げなきゃ」と頑張りすぎては息切ればかりしてしまう今の私には良く分からないけど、また数年後に観返したいな。
ジョバンニ

ジョバンニ