お仕事×エンターテイメントがうまく融合された作品は、とても見応えがあるし、自分の知識欲も満たされるので好きです。
今回は特に、以前からとても興味があったアニメ制作の裏側を詳しく知れたことで、過去自分の心に刺さったアニメは、こんな風に作られてきたのかと思うと胸が熱くなった。
確かにアニメは、腹の足しにもならないし、生活必需品ではないし、無くなったとしても死ぬわけでない。人によっては全く興味がない娯楽かもしれない。
でも、やっぱりちょっと苦しくて、生きにくい世の中で日々頑張る私たちにとっては、二次元というその一瞬だけ現実を忘れられる世界は、日々に彩りを加えてくれるものだと思っている。
アニメキャラやストーリーを通して、自分も頑張ろうとか、自分をわかってくれる世界があるということが、30過ぎた自分の心の活力になれることを、私は身をもって知っている。
だけどそう思えたのは、こうやってアニメに人生を捧げて、全力で作ってくださる方々がいるからなんだと、映画を見ながら感謝の気持ちが溢れてきた。そういうアニメの力、二次元の力を改めて気づかせてくれる作品だった。
新人監督の、想いが先行して不器用でがむしゃらな感じを吉岡里帆さんが好演していて、天才監督の、天才故の周りからのプレッシャーに戦い、産みの苦しみにもがく姿を中村倫也さんがこれまた好演している。
周りも演技力の高い方々で固められているから、本当に見応えがあった。
ただ、ひとつマイナス点を上げるなら、最後のタクシーでのシーンが蛇足過ぎて、ここいらないー！となってしまったのがとても惜しい。あそこはほんといらなかった。
そこ以外はとても良い展開だっただけに悔しい…。
