第3回インド大映画祭⑦
その溢れ出んばかりの豊かな毛量と福々しいお腹で一度見たら忘れられない!みんな大好き💕癒しの存在、タミル作品の名バイプレイヤーにしてコメディアン、ヨーギ・バーブの主演作品!今回の映画祭のラインナップで最も楽しみにしていた作品!
南北で対立する、トイレすらない小さな村に住む床屋のスマイル(ヨーギ・バーブ)。彼は低カーストの出故、教養もなく文盲で周囲からずっと差別されてきたのだが、ある日村で選挙が行われる事になり、思わぬ騒動に巻き込まれていく…。
“村”という小さなコミュニティで起こる選挙。それ故に“実弾”が飛び交う仁義なき買収合戦が始まるのだが、票読みしたところまさかの完全同数!そこに今更ながら選挙権を得たヨギバブちゃんに対して両陣営からとんでもない賄賂攻勢が始まってしまう。でもなぜ今さら大人のヨギバブちゃんに選挙権が発生するのか?それは預金口座を作るためにIDが必要となって新規に発行して貰ったから。それまで不可触民で学もなく自分の本当の名前すら忘れてしまったヨギバブちゃんが新たに名乗ったのが“ネルソン・マンデラ”。あの南アフリカ共和国の元大統領から取られていて、差別を受けてきた者がアパルトヘイト撤廃に尽力したこの人物の名を名乗る、もうこの時点で泣けてしまいます。そして周囲の反応がそれまでと180°変わり、それに対してヨギバブちゃんも自分自身を見失い、翻弄されてしまうのですが、とある出来事をきっかけに自分に与えられた“1票”について考え直し、ある信念に基づいて行動するようになります。そうしているうちに、村人達の彼に対する態度も変わっていくのです。その様子を見て、またもや涙。涙。。
自分からどうこう、ではなく基本的に周囲の状況につい流されてしまう、そんな巻き込まれ型主人公のキャラクターがヨギバブちゃんに実にハマっていて、周りから邪険にされてしまう辛い状況でも、その風貌から多少マイルドに見えてしまう。それでも後半、主人公がやり返すシーンでは、その風貌が逆に太々しく見えて、見ているコチラの溜飲を下げてくれる。ヨギバブちゃんのイイとこ取り!でした。今作で1番大好きだったシーンが、新しい名前を付ける時にどの名前がしっくり来るか、何度も呼びかけてみて振り返ってみるシーン。もう見返りヨギバブちゃんがカワイ過ぎてキュン死寸前ですよ!💕
適度にコメディを挟みながらも小さな村を舞台に社会の縮図がしっかりと描かれていて、最後には感動してしまう。そんなとても素晴らしい作品でした。
今回のインド大映画祭、日程とスケジュールが合ってラインナップ作品全制覇!オールタミル作品だったのも嬉しくて大満足!ありがとうございました!