まる子

冬薔薇のまる子のレビュー・感想・評価

冬薔薇(2022年製作の映画)
5.0
バッドエンディングらしい。「セカンドチャンスを阻む不寛容な世の中を声高でなく撃つ。」という批評もキネ旬の星取で読んだ。文の結語は「敗者復活のある世界たれ。頑張れ!」だ。

寝床も追われ、退職してゆく、若い頃ギャンブルで失敗した石橋蓮司の未来は明るいだろうか?仕事し、誰とも偏見なく言葉を交わした彼はバッドエンディング、行き場がないのか。頑張れぐらいしかかける言葉はないのか。

主人公と同じように居場所がなくなった彼の未来は、未だ死なずに彼が生きている現在は、スクリーンの前で石橋蓮司という素晴らしい俳優を見つめている今の瞬間は、とてつもなく輝いている。

阪本監督、『一度も撃ってません』続き石橋蓮司にいい役。好きなんだなぁと。最高傑作です。

「自分じゃない誰かを演じて、そこにある種の苦渋と喜びを感じる職業だから、一般の人には絶対経験できない時間を歩んでいるわけです。自分じゃない、誰かのことを永遠に考え続ける職業。僕は僕で、自分じゃない誰かを演出するわけで。いろんなキャラクターの経験が積み重なって、自分の中で大きな財産になっている。俳優、監督というのは素敵な仕事だなと改めて思います。」リアルサウンドより引用
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