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ジンジャーミルクのuliのレビュー・感想・評価

ジンジャーミルク(2021年製作の映画)
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大学生の恋模様という、テーマ的には全然そそられない感じだったのに、見ててすごい切なくて、泣きそうになった。
私もあつしと同じでヘテロだし、聴者だから、どれくらい罪深いことをしてるのか途中まで全然わかんなかったけど、「日本語と手話は違う言語だから!」でガーーーンってなった。
頭では当然わかってると思ってたのに、こうして暮らしの中での実際のコミュニケーションの場になってみると、私もあつしと同じで全然わかってないんだなぁと思い知らされた。
無邪気に知った気になって、土足で入り込んで、良い気持ちになってたりしないかとか、本当に考えさせられた。
あと、手話は見る言語だから、すごく傷ついてて、号泣して、目を閉じちゃうと、なんにも伝えられないんだなぁっていうのが、めちゃくちゃ切なかった。でも、それは聞こえてても同じなのかも。取り乱してる人に、どれだけ言葉を尽くしても、こちらは言ってるつもりで、相手には全然届いてないのかも。人に伝わるってなんなんだろう。
健斗の泣き声がほんとに胸にくる声で、絞り出すような、原始的で、社会化されてないそのまんまの声みたいで、切なかったし、ケンカのシーンでは、この声はれいには聞こえてないんだなぁと思って、でも、聞こえないけど、身体を通してわかり合ってるのが、やっぱり文化圏違うんだなぁって思って、いろいろと切ない気持ちになった。
すごい面白かったなぁー、今井監督の他の作品も見てみたいわ。
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