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RRRのmatchypotterのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.7
先月《インド界隈の映画》企画したのはこれを観るためで。
『バーフバリ』の時に乗り遅れてしまった悔いを改めて。この映画の衝撃を可能な限り受け止めたくて。

もう、もうこれは、ニヤニヤ止まらない。
ニヤニヤどころか、応援上映でも何でもないのに、1人スタンディングオベーションしかけるほと走る熱い気持ちを抑えるのに必死。
その足でサスペンダー買いに行こうか迷った。

英国統治下のインドで。
村の娘をいとも簡単に権力によって連れ去られてしまった村の“羊飼い”、ビーム。娘を取り戻すため、本拠地に乗り込み、潜伏し機会を窺う。優しい心の裏に絶対諦めない雄々しい情熱を宿す男。

一方、その諦めない村の部族を毛嫌い、その追手を返り討ちにせんとする英国政府が、その追手の討伐と処罰を命じた英国警官、ラーマ。
彼もまたとある“大義”のために英国警官になり、“大義”を果たす機会を窺う。

この正反対の男が、英国政府に乗り込もうとする男と、それを阻止する命を受けてる男に、友情が芽生え、真の友となる、、、。

“ナートゥ”、インド映画観まくったからもはや何ら抵抗感ナシ。それどころか、いつくるのかいつくるのか、待ち侘びた。
英国パーティの最中にコケ下ろされてからの“ナートゥ”、もう震えた。

そもそも、この2人の男の出会い、何なんだ、これは。
橋を渡ってる途中の列車が炎上し、川に墜落。その墜落先に魚を取る少年。
次々に列車が滑落していき、少年絶体絶命。
そこに別々の場所で居合わせる2人の男、、、。

お互いを知らない2人、目が合う。
そして、橋の上から手を挙げてビームに“合図”を送るラーマ。
ここからの勢い。これはもうボリウッドでしか観れない。

R、“The Sto《r》y”、物語。
R、“The Fi《r》e”、たぎる火の男、ラーマ。
R、“The Wate《r》”、うねる水の男、ビーム。

決して交わることのできないはずの《火》と《水》の《物語》。

相変わらず間にインターバルがある3時間。はっきり言って、控えめに言って、最高の3時間。
友情芽生えて、親友となりながら、お互いの思惑を進めるうちにお互いの素性を垣間見てしまいぶつかり、道を違う前半。からの、、、、後半。

この強固でトレンディな友情と、ぶつかり合い。
そこからただ和解するわけでもなく、相手の知らないところで紆余曲折あるところが切なく、アツい。

相手に自分の気持ちを知ってもらいたいとかではなく、己の使命をただただ進んだ結果、それが相手の使命に辿り着く展開にドキドキワクワク止まらない。

ハリウッド映画では観られない独特の気迫、画力、熱気、、、そして、音楽、感情表現。

前半と後半でどことなく、ラーマとビームのキャラクター、雰囲気、佇まいがスイッチするのも素晴らしい演出。

どちらかが秀でているわけでもなく、どちらかがメインでもなく、この2人だからこの物語が生まれ、この2人だからぶつかり、そして、この2人だからこそ新たな道を作った、本当にそう思える。

アツい友情と、ここでしか観られない圧倒的なインパクトを持ち合わせたアクションと音楽と踊り。

インドの映画を観ると毎回“その勢い”“その動き”を目の前の出来事として形にしてくれるのが嬉しくて堪らない。
素早い動きでパパパパ、ではなく、わざわざスローモーションで、正確に、誤魔化さずに、これでもか、と大技をキメにくる根性と覚悟、必見。

気分が高まって細かく伝えたいシーンは数知れず。しかし、それを口で言うても文字で書いても伝えきれないモノが確実にココにある。

登場シーンや、ここから“何か”が始まるぞ、というシーンには、なぜだか全くわからないが急に風向きが変わったかのような雰囲気が必ずやってくる。
もう、そうなるとこっちもワクワクしながらスクリーンに釘付け。
あー何かわからんけど、くるぞ、くるぞとニヤニヤを準備して。

まったくもってこの《インド界隈の映画》に1点のスキもナシ。
これは映画館で観るべき。


F:1879
M:2695
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