ロアー

RRRのロアーのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
5.0
イギリス植民地下のインド。
ゴーンド族の青年ビームは、イギリス人総督の屋敷にさらわれた村の少女マッリを取り戻すため、名を変えてデリーに身を潜めていた。
一方、警察官のラーマは総督から命を受け、マッリを取り戻そうと目論む名も知らぬ男を探していた。
ある日、列車の事故に居合わせたラーマとビームは咄嗟の機転で協力し、事故に巻き込まれてしまった少年を救い出す。そうして互いの素性を知らずに出会った2人は、親友として固い絆を深めていくが・・・

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インド映画好きを名乗り、ここ2年弱に観たインド映画がそろそろ100本に近づいているというのに、実は監督の「バーフバリ」シリーズを未だに嗜んでいない私ですが、今年1番の激アツ映画「RRR」を観てきました。

とにかく1から100まで激アツとしか言いようがない映画。ラーマが炎タイプ、ビームが水タイプのポケモ・・・いや、それぞれ炎と水という対極のエメレントに例えられていて、それが2人を表す歌や武器として使われていて、戦闘シーンでのビジュアルも迫力も最強でした。

アメコミヒーロー映画も大好きだけど、スーパーパワーじゃなく鍛え上げた鋼の肉体だけの力技でゴリ押しする戦闘シーンがヤバ過ぎる。
炎、水、猛獣、バイク、銃に矢に騎馬合戦にホントなんでもあり。どのシーンも魅せ方が最高にカッコ良く決まってて、興奮し過ぎてスタオベしたくなります。

愛よりも友情がメインだったので、ラーマとビームが友情を育む仲良しタイムにヒロインも霞むほど(ラーマとヒロインのシーンって実はほとんどないよね)。ビームの恋をスマートにアシストしてくれるラーマ兄貴がカッコ良すぎるし、兄貴に懐くビームもかわい過ぎる。
てか、ラーマって子どもの頃からビームに逢うまでは、絶対あんなにニコニコと笑うような時間を過ごしたことがない気がする。英語も話せて教養のあるラーマと山育ちのビームが、それぞれの知識で助け合うのも良かったし、タイトルロゴにもなっている2人が固く手を結ぶシーンがどれも胸熱でした。

普段からインド映画好きを謳っているので、インド映画贔屓過ぎてある意味信用がないかも知れないけど、この映画はかなり評判が良いので騙されたと思ってぜひ観てみて欲しいです。絶対、映画館で観るべき案件。
次々と起きる怒涛の展開に飽きる暇がないので、3時間なんてあっという間に終わるから上映時間に不安がある人もきっと大丈夫です。

MEMO---
・ダンスシーン大好き過ぎる!サスペンダー!サスペンダー大事!!!
・世界の悪役=ナチってイメージが強いけど、インドではやっぱイギリスだよね。ラストで敵が「何故なんだ〜」って嘆いてたけど、そりゃ自業自得でしかない。
・アジャイさんも踊るのね!とエンドロールでテンション上がった。
・あ、因みに自分はラーマ派です。

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地元の映画館では17日に上映が終わってしまうそうなので、急いでおかわり鑑賞してきました。ストーリーが頭に入っているから2回目の方が分かりみが深くて何度か泣いちゃった。

初見より余裕があって細かい気づきもあったので、以下は感想と言うより好きなシーンの備忘録&鑑賞済みの方に共感くださいのコーナーです。










↓↓↓以下、ネタバレ↓↓↓

・マッリのママ、初見の時は絶対死んじゃったと思った。あの硬貨2枚って結局、今で言ういくらなの?

・ラーマが帰ってきてビシッと元の姿勢に戻る所が好き。ラーマのテーマ曲も好き過ぎる

・ビームって虎に例えられてるし、だから虎に対して「お前を利用した、すまない兄弟」なんだよね。爪の武器も虎を模した武器なんだろうし、ブラパンのネックレスみたいなのもきっと虎の牙なんだろうな

・救助シーンのハンドサインだけで全て理解し合う2人が熱いし、旗を渡したものの火からビームが出てくるまで不安そうに見てるラーマの顔も好き

・2人の象徴である炎と水の中でがっしり手を握るシーンからのタイトルが胸熱過ぎる

・2人が仲良くなる過程に肩車があるのも熱いし、鉄柵を挟んでのシーンも後の鞭打ちシーンに繋がる伏線なのが熱い。てかほとんど全部の要素が後の伏線になっててやばい。特にリズムで位置を確認し合うところやばい

・ラーマはもともとビームを弟分のようにかわいがってたんだろうけど「左手で食べちゃだめ」のところで完全に弟と同じ存在になったんだろうと思うと、しかもその弟が亡くなっていると知った後でそのシーンを観るとダメだ泣ける

・前半でフラッシュバックしていたラーマのパパの回想シーンが、全て知った後では胸に刺さり過ぎる。後半これまでの回想シーンが一気にぐわ〜っと流れた後、パパの最期のシーンに繋がる演出も良すぎる。ラーマが手榴弾を手にした時、天にパパが現れるのも刺さる

・マーケットのシーンで、両手でジェニーのリボン付ミニバッグをちょこんと持ってあげてるビームがかわいい。身支度でラーマにヒゲのトリミングされてるビームもかわいい

・転がるお盆からのラーマのドラムが最高にかっこいいので、そこがYouTubeのダンス動画に含まれてないのが惜しい

・イギリス人相手に、ビームの肩に手をおいて挑発するラーマの所作が好き。ナートゥに割り込まれた時の「わ〜怖い〜」っておどけて後ずさる2人とその後の笑顔も好き過ぎてこの目に焼き付けたい

・ナートゥで残ったのが2人だけと気づいた瞬間の2人が好き。何事においても互いに高めう存在って感じ。ビームを立ててあげたラーマの優しさも好き過ぎる

・猛獣と共にビームが特攻するシーンは何回でもおかわりできる。やば過ぎてホントゾクゾクする

・ビームに「目を見てくれよ兄貴」って言われても頑なに目を合わせられないラーマに泣ける。警官としての任務中のラーマってホント感情を殺した暗い目をしていて切ない。アゴヒゲあり・なしでオン・オフを切り替えていたからか、最後ヒゲが伸びに伸びたところで神化するのはちょっとおもろい

・ラーマのために貸した契り紐でビームが捕まってしまう皮肉・・・手が結ばれないままロゴになるインターミッションの演出が憎過ぎる

・鞭打ちのシーンで、早くビームを跪かせようと足で鎖を引っ張るラーマの優しさと葛藤が泣ける。しかも顔に飛び散った返り血を拭う時、目元にあった雫はあれは涙だよね。最高に泣ける

・アーリヤー・バットめちゃくちゃかわいい。人助けは許嫁の教え〜ってところ無性に尊い

・肩車シーンの一心同体っぷりに湧き上がるこの感情を抑える術を私は知らない

・バイクをぶん回すビームのシーンが大好き

・ラーマの使命を知ったから、ちゃんと銃を根こそぎ確保してきたビームの想いと怪力が愛おしい

・スコット総督もわりと切れ者と伺えるところがなんか良い。英国のロゴに血しぶきが飛ぶところは流石にやり過ぎで笑う

・あの格好のままラーマが村に帰ったから、装束姿で病院に現れたストレンジ先生並みに正気を疑われやしないかと一瞬胸がざわついた

2022/11/08 109シネマズ高崎(字幕)
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