ぼっちザうぉっちゃー

RRRのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

凄まじい熱気と高揚感。これに尽きる。
なんだかもうのっけからぐんぐんと体温が上昇していくのを感じてて、インターバル入る頃にはもう温まってもうてんねん状態で、そこから回想入ったんで正直きつかったけど結局最後にはほぼのぼせかけていた。それはもう映画館を出てから、あれだけ嫌っていた寒さが恋しく思えるほどであった。これがインド映画ハイか。たまに無性にカレーが食べたいなって時があるように、インド映画が欲しくなる「舌」っていうのが新たに培われてしまった気がする。

そしてやはり音楽の使われ方が一般的な映画とは一味違っていて面白い。
ただのBGMやミュージカル的なパートだけでなく、あらすじであったり、人物のセリフであったりその代弁であったり、様々に形を変えて作中を賑わせ続ける。
特に盛り上がったのはやっぱり一番「インド映画」っぽい中盤のパーティでの踊り。売り言葉に買い言葉ならぬ、売りダンスに買いダンスで始まった身体酷使の応酬には、いやが上にも右ひざ下がうずいた。

こういったダンスパートにおいて顕著であるが、とにかく演者たち、とくにメインの二人が、“極端に”動ける俳優なんだというインパクトが個人的には大きかった。ダンスであれだけパワフルな肉体表現を見せつけられると、アクションパートにおけるスタントでどれだけ奇怪な人外な身体能力を発揮しようと、まったくおかしく思わないのだ。これは不思議な感動に近いものだった。
そしてシンプルにアクションおもろすぎ。全部がいちいちぶっ飛んでるのにちゃんと王道というか、王道に王道を重ねて息継ぐ間もないというか、ずっと豚骨背油マシマシスープを浴びせられてる感覚。ついでに言うと、ショックなことがあると微塵も動揺を隠す気のない味の濃い演技や演出も出汁が出まくっとります。

ストーリー自体も王道の歴史ものであるが、一度冷静になって考えてみれば割と負の部分に触れているような、けっこう痛ましい問題を扱っているはずなんだけれど、それをあくまでブラザーフッドや大義、誇りといった熱いテーマで描いて、微々たる逡巡のブレーキも踏まずに勢いよく搔っ攫われていく感じがとにかく気持ちよかった。と同時に、実際インドの人たちはどんなテンション、モチベーションで観てんだろうとか、その歴史観みたいなところも興味深いなと思ったり。

最後のダンス。あんなちっさいエンドクレジット初めて観た。
てかその歴代火影みたいな人たちは誰ですかぁアア!!??