なおきち

RRRのなおきちのネタバレレビュー・内容・結末

RRR(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

観た後、目がガンギマリになる映画。

一族のつながりを守るため、攫われた村の娘を助けにデリーで暮らすビーム。彼はそのためにイギリス総督府から追われる身となっていた。バイク整備を営む一家に守られ、自身も働きながら、ずっと仲間と機をうかがっていた。

一方、一族を守る、そして「母なるインド」のため、銃を手に入れるべく、イギリスの警察となり出世を目論むラーマ。出世のためには、イギリス人に対しても怒りを隠し忠実でいた。活動家の解放を求める、彼と同じインド人の群衆に一人で飛び込み、イギリス人の指示通りに犯罪者を捕まえた。

当然、ビームも警察官ラーマの「捜査対象」だった。ただ、森で暮らしていたビームの顔を知るものはおらず、捜査は難航していた。

ある日漁で日銭を稼ぐ少年が、事故で橋から落ちた列車に囲まれ命の危機に瀕した。川辺にいたビーム、橋の上にいたラーマは導かれるように目が合う。2人は共闘して少年を救い、互いの手を取り合った。その手、その腕は固く結ばれた。

総督府に攻め入ったビームを捕まえたラーマ。これにより彼は出世し、武器の管理を任される。これを村に送れば彼の目的は果たせたが、友(ビーム)とかれの救いたかった娘を逃すことを選んだ。

ビームは逃げたものの包囲網も迫っていた。そこで出会ったラーマの許嫁シータ。彼女はラーマが2日後に処刑となり、遺体を引き取るようにとの通知を受けていた。

刑務所に忍び込み、ラーマを助けるビーム。ここから2人が火と水の神のごとく反転攻勢し、最後は総督府のトップにいたスコットにに弾を「返した」。

踊って上手くいって終わり。

「責務は結果ではなく、行為」獄中も「エクササイズ(イギリス人の言葉)」という名の懸垂をするラーマの言葉。
「人が武器になる」ラーマの言葉。
「インド人は銃弾よりも価値がない」スコットの言葉。
「武者震いしたら山を崩せ(砕け?、記憶があいまい)」エンディング歌の歌詞。

インドがイギリスにここまで怒れるのは、国として今、それほどのエネルギーがあるからと思う。「ムトゥ踊るマハラジャ」の勧善懲悪とは違い、驚くほどストレートなやり返し、そして人が死ぬ。

「皆さんインドが普通です。財布はすられるし、ホテルの水も信用できない。子供は元気な奴しか生き残れないし、人さらいだってある。」インド哲学の授業で教授が特に力むわけでもなく、しゃべっていた。あのガラガラの大教室の景色を思い出す。
なおきち

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