二人の男が友情と使命の間で引き裂かれぶつかり合う熱血アクション大作。謳い文句そのままに次から次へとド派手シーンがさく裂する。歌って踊って、危険をくぐり抜けて戦い、囚われても屈服せず、ジャンプ漫画を実写化したような荒唐無稽な画面がこれでもかと出てくる。そのクオリティはハリウッド大作に引けを取らない。
一方でシナリオはご都合主義的なところもちょこちょこある。（総督の姪はなんだったのか）
また、二人の主人公は独立運動に関わった実在の人物らしいが、かなりデフォルメされた英雄として描かれ、抑圧する側の大英帝国も典型的な悪役にされている。ハリウッドが描いてきた正義の米英VS仮想敵国・ソ連の構図が、ボリウッドでは当然こういう描写になるし、大英帝国は叩き潰してやれと思わずにいられない。恐らく多言語国家ゆえ必要とされてきたストレートな映像表現が言語も文化も超えて私たちに響いてくる。思わぬところで映画の力を思い知らされた。
ま、それだけ没入させられてしまう作品ということである。つべこべ言わずエンタメという前提で観るべし。３時間はあっという間だ。
