Shu

ヘルドッグスのShuのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
1.0
酒向芳という役者に、開始早々に作品世界の背景説明を抑揚皆無かつ超絶早口で3分間喋らせることで
「話の背景とかどうでもいい。カッコいい役者がカッコいい雰囲気で映画っぽい感じであればいい。それだけ見たい人向けの作品です」
と潔く宣言している。

この映画の評価できる点は、上記の潔い開き直りが開始10分でやってくるので、その時点で見るのを止めれば時間を無駄にしなくて済む。その1点のみである。

後に続くのは必然性0のブツ切りカット割り、無駄なふざけ、終始ボソボソ台詞、ガナリ怒鳴りと臭い演技、美しさ皆無の暗い絵作り、どうでもいい雰囲気会話劇のオンパレード。
まさかまさかと思って最後まで見てしまったので、私には酷評する権利がある。
今まで100回はこすられたクッソどうでもいい話を、1000回は見たベタな演技で、見た人に1万回悪口を言われる映画だった。

キャスティングなんかを見るに、きっとこれでも邦画の中では金は使っている方なのだろう。それなのにこの笑えない低クオリティ。悲劇としか言いようがない。
超絶にイカれた役とかメチャクチャにバカなアクションとかとんでもなく残酷な絵作りとか哲学的な不条理が満載とか、異様に尖った筋書きにすれば最悪爪痕くらい残せそうなのにそれもない。
低予算邦画なんて大体そんなだからそっちもいい加減食傷気味だけど。

なまじ金集めただけに全方面に言い訳できる保守的な作品を目指したら、実力が圧倒的にないのでそびえ立つクソが出来上がった。
ふとそんな構図に既視感を覚えた。東京オリンピックの開会式だ。


まあ、自分が浅はかだった。前述の10分ですぐ止めるべきだった。
もっと言うなら、見る前に監督の名前とそれまでの作品をチェックするべきだった。見てみたらこいつの作った地雷を過去に3回も踏んでいた。
「監督:原田眞人」これを機にしっかりと覚えて二度と見ないようにしなければ。
Shu

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