結構前の映画だし、語り尽くされてな～んも語る所が残ってないと思うけど、今更見たので・・・。
率直に言ってこの作品、ビジネスとしては優秀な仕事してるよなと感じた。
語りたがりのクソうざい映画オタクも、にわか丸出しのサブカルクソ野郎も、ただのミーハーor恋愛脳のガキどもも、全員を対象にして一定の評価を得られていて、
どういった真意でもって制作されているかは知る由もないが、結果的にビジネスとして成功してるのは評価できる。
無論私は語りたがりのクソうざい映画オタクの一人ではあるが、内容が好きかどうかは全く別な話。
この手の映画のビジネスとしての成功そのものが、一映画好きでこの国の一構成員である自分の絶望に繋がっていると、またしても思い知らされてしまった。
突っ込みだすとキリがないので要点は3点になる。
１：近年のうっすい人間のうっすい恋愛描く風潮なんなの 飽きたし共感できねえ
２：2人以外の世界や素材や人間の描き方に全般的に敬意の欠片もねーんだわ ハナから期待してねーけどいい加減にしろや
３：映画におけるリアリティを根本から履き違えてんじゃねーよ キャラのファンタジー性は百歩譲るが、必然性のない嘘をつくのはただヘタクソでみっともないだけなんだよ！
全部書くと邦キチで言うところの池ちゃんになってしまうので、ここでは１のみに絞っていく。
前に「愛がなんだ」の感想を書いた時と同じく、
私はハリネズミ同士がお互い血まみれになって抱き合う覚悟もなく何が恋人だと思うのである。
こういう「お互いを尊重し合ってる風ではあるが、実際はただ自己愛が強くて病的に臆病なだけ」の人間ばかりでドラマを作るのをいい加減にやめてもらいたい。
社会にとって悪影響だからだ。
何なら邦画が全体的にカスな理由も数割くらいはこれが原因ではなかろうか。
人間の深みを表現する演出とストーリーを作る監督、それを良しとするプロデューサーが圧倒的に少ないのだ。
お互いの関係も浅いし理解も浅い、自身の内省も将来の見通しも浅いし余裕もないし、このカップルはその部屋や本棚に溢れてる膨大なコンテンツから一体何を学び人生に活かしているのか？
よくもまあこんな関係で4年も付き合えるもんだ。
心にコンドームかぶせてするセックスは気持ちいいか？
展開がようやくぶっ壊される最終シークエンスでも
男の方は「浅いままでも記号化した人生でも、美しい思い出があるし二人でいたいんだ」と清々しいほどのクソヘタレな開き直り！
女の方はあろうことか別れる理由も別れない理由も、最後まで言葉にすることがない！
なんとなく合いそうだから付き合い、合わなそうになったから別れる！それも全部相手主導で！
裕福な家庭と恵まれた美貌だけが享受できる完全受動的な人生が想像できるし、そりゃ自己愛が極まろうってもんだよな！よく居るよこういうムカつく女！
この女にとって、将来どんな相手と結婚するのが幸せなんだ？
何でも言うこと聞いてくれるドMか、何にも言うこと聞いてくれないドSか、両極の2択だな。間違いない。
この調子だともう永遠に終わらないのでこの辺にしておくが、
映画のオチが実に落語的というかキレイ＆爽やか風に終わるってのが、私のこの憤懣を増幅させている気がせんでもない。
ストーリーを綺麗にラッピングした結果、現実の若い観客の人生にいつか絶望をもたらす可能性を想像できるからだ。
失恋映画は終わりがあるけど、失恋しても失恋映画を見たあとも、人生はその後も続くのだ。
「別れても魂でつながっていて去り際に手を振る」って、何。この演出がオシャレでイケてるとでも思ってるのか？
お互いが今の恋人にコミットできてない描写、端的に言ってこの上なくクソだろ。これを作ってるやつの倫理観が相容れねえわ。
それに一部では「邦画版ブルーバレンタイン」とか言われてるみたいだが、あの超名作と一緒にしないでもらいたい。心にブッ刺さる衝撃は巨大ハンマーと洗濯バサミくらい違う。
こういった性格上、自分の人生の恋愛で爽やかな終わりなどほとんど存在しなかった。その血まみれの恋愛で得たものは確実に人生を豊かにしてくれ、今に活かされている。
まあ、幸せが血まみれの先にしかないとは言わない。
だが、こと恋愛において血まみれにならなかった相手は、10年後は相手の名前も思い出せんぜ とおっさんは思うのだ。
仮にもしこの世のフィクションが幻想と夢だけに染められていたら、若者はどういう覚悟を持って血まみれの関係に臨めばいいのか？
麦くんのように永遠に逃げ続けるしかなかろうよ！
余談だが・・・
あの辺り昔住んでたからわかるけど、調布から徒歩30分て・・・何その調布推しは。
あのアパートどう考えても最寄りは京王多摩川駅だろ。競輪の町が絵的に映えないのもわかるけどよ。
チャリで行けるってだけで頑なに吉祥寺が最寄りと言い張る痛い若者かよ！
