冒頭、ケン・ローチ監督の作品のように、働いても働いても報われない貧困の話しかと思いましたが、物語は段々とあらぬ方向へと進みます。
とにかく、主人公のバニーへ感情移入できません。バニーの短絡的な行動に終始イライラします。
終盤、子供たちとの電話のなかで、頑張っているけど上手くいかない、そんな彼女の台詞にハッとします。
ここで寛容でない自分に気づくのです。いつのまにか、バニーを阻害する側に身を置いている自分に。
現実は努力すれば全員が報われる社会ではありません。どうあがこうが抜け出せない人々もいます。
バニーを演じたエシー・デイヴィスに拍手、素晴らしい演技でした。
同じく貧困のシングルマザーを描いた「フロリダ・プロジェクト」も魔法のような映画なのでオススメです！
