ゆとりん

百花のゆとりんのネタバレレビュー・内容・結末

百花(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

原作は小説だそうで、
これは小説のままにしておいた方が
良かったんだろうなと感じました

お話自体はとても良かったんですが、
映像化したことによって
色々と不都合が生じています


まず、息子役の菅田 将暉君の
年齢設定がわかりにくいです

現実に起きたある出来事が
物語上で重要な意味を持っているのですが、
この出来事の発生時期を考えると
菅田君の実年齢は若すぎます


次に、
物語を進める必要があるのはわかりますが
原田 美枝子さん演じる
母の認知症が悪化して施設に入居した後、
息子と会話しているところに
施設の人が割って入って
外に連れて行くなんてことが
本当にあるでしょうか


他にも、
徘徊した母が発見されて
泉が迎えに行く時に、
何故あそこで待機しているのか

発見された場所があそこだったとしても、
本来は入ってはいけない場所の筈で、
そこに泉を向かわせるでしょうか?


こういった細かい点は、
小説であれば
気にならなかったと思います

映像化したことにより、
「おや?」
と違和感を覚えるようになってしまったのです

その違和感に気を取られ、
あまり物語にのめり込めませんでした

例えば菅田君の年齢の問題については、
冒頭で菅田君演じる泉の年齢を示すシーンを
入れれば良かったと思います

そうでなければ原作を知らない人は
菅田君の実年齢に近い年齢を
想定して観てしまうので、
ある出来事が発生した時に
「ん?」
となってしまいます

施設の人が
親子の間に割って入ってくるシーンも、
一言「失礼します」とか
そういう言葉があれば
違和感を覚えずに済みました


泉が母を迎えに行くシーンも、
例えば迎えに行った時点で
母は事務室にでも案内されていて
「○○で発見されたんです」
と警察が言えばいいし、
もしくは警察が泉を
母の元まで案内すればよかったのでは

本来は入ってはいけない場所へ
泉が単独で行くからおかしいと感じます


小説では足りていた描写も
そのまま映像化してしまうと
描写不足になったり、
逆に描写しすぎになってしまったりすると
感じた映画でした
ゆとりん

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