VORTEX ヴォルテックスのjunのレビュー・感想・評価

・心臓より先に脳が壊れるすべての人へ

冒頭で「人生ははかない」なんて美しく唄っていて、分かってるよそんなの と感じて観始めた自分を殴りたくなるくらい、生（生きゆくもの）と死（死にゆくもの）のリアルを画面越しに目の当たりにし、絶望した。

ノエ特有の二画面構成。同時進行で両者の心境・表情・日常を描いていたが、決して両者を比較対象として映していないように感じた。

今ではわたしの名前、存在も分からなくなってしまった認知症の祖母と重ねてしまい切なくなったけれど、自分なりに死生観の幅が広がった作品でした。