Monsieurおむすび

屋根裏のラジャーのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
3.9
停滞から再起へと続く、少女とイマジナリーの成長と自立。
一概には言えないけど、想像とは持たざる者の処世術だと思っている。そういう意味では自分もイマジナリーに救われてきた子どもだったし、大人になって、この作品に出会い、当時を肯定してもらえた気持ちになり、再び救われた。

スタジオポノックの長編第2作目は、前作「メアリと魔女の花」同様に、子どもの感性への全幅の信頼とも呼べる善性を感じる。と、同時に子どもが持つ無限の可能性を鎖ざす大人への警鐘でもあると思えた。

手描きとデジタルが混在し、現実世界の素朴且つ繊細な表情を写す超絶技巧と、想像を具象化したアニメーションの真髄が魅せる高揚感。
映像表現として文句のつけようがない出来栄えであるが故に、冗長な前半がとても惜しい。
アマンダとラジャーの約束の意味。
アマンダとリジーの絆。
イマジナリーの悲哀。
琴線に触れる場面がたくさんあったので余計に。でも、全体としてはとても好きな作品でした。
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