ぶぶこ

機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-のぶぶこのレビュー・感想・評価

3.0
僕の「ガンダム」シリーズ全体に対する政治的立場は、一言で言うと「ファーストガンダム(一年戦争)のキャラクターが出てくるものまでは許容」というものです。言ってみれば「穏健右派」というか「中道左派」というか、昔なら「新党さきがけ」的なスタンスというか、よけい判りづらいですね。失礼しました。ただ、いわゆる「ファーストガンダム原理主義者」ではありません。

で、まず「作画面」から感想を述べると、作画監督の恩田尚之さんのカラーが非常に濃厚で、ここでもしかしたら、好き嫌い(もしくは違和感)が起こる人がいるかも知れません。僕も、実は、「うーん、恩田さんかあ。悪くはないんだけど、北爪さんはハマーン・カーンの例の漫画のせいで無理ともかく、梅津泰臣さん(テレビシリーズのオープニングの原画をしていたアニメーター。梅津さんの描く骨太なクワトロとかが僕好み)を加えられなかったのかなあ」と、脳内で年寄りの繰り言をつぶやいてしまいました。でも、最後のテロップで、原画マンに土器手司さんの名前を見つけて感慨にふける僕でありました。

次にストーリーですが、今回の映画は、三部作の最初ということで、クライマックスはこれからですから、物語的にどうこう評価するものではないですね。でも、一言で言えば、ジェリドが悲惨。以上。でも、これだけですと何なので、主人公のカミーユ・ビダンについて。カミーユのキャラは、今思えば、当時(85年ごろ)最先端を行っていたような気がします。何故って、今見てもしっくり来たから、というより、今見た方が「こういう奴っているよな」「判るなあ、その気持ち」というように、20年前より感情移入しやすくなっている自分を発見して、インド人もびっくりです。

富野監督、相変わらずの荒技で、ストーリーをコンパクトに、テンポよくまとめる手腕はさすがでございました。でも、もしかしたら、僕などは「ファーストガンダム」、そして「イデオン(特に発動編)」の無茶なまとめ方に慣れているものだから、しっくり来ただけかも知れません。これは「富野マジック」と呼んでも良いかも。付け加えるなら、僕の場合、もちろん昨晩の復習が役に立ちました。でも、全く知らない人が見る映画ではないですよね・・・。当たり前かも知れませんが。

あと、声優陣について。ほぼ、20年前の声優さんたちが起用されていますが、所々別の声優さんが起用されています。でも、懐かしい声を聞くだけで、僕のようなオールドタイプファンは嬉しくなっちゃいますね。
三枝成章氏の音楽も懐かしいです。僕は、実はサントラ、レコードで全部持っています。まだ、実家の押し入れの中に(捨てられていなければ)残っているはず。

で、最後に次回作の「予告編」なわけですが、副題が「恋人たち(Lovers)」って・・・。「カミーユとフォウ」「アムロとベルトーチカ」という組み合わせを中心に据えると思いますが、一瞬チャン・ツィイーが頭の中で踊ってしまいました。そんで、その予告編では、フォウばかりが出ていました。ベルトーチカファンの僕としては、「予告編に、もっとベルトーチカを出さんかい(川村万里阿の裏返った声を聞かさんかい)」という気持ちでいっぱいです。昔、ベルトーチカってキャラクターがよくわからなかったんですが、あれっておじさんから見れば、すごく(都合の)いい女かも知れないです。彼女が好きっていうのは、僕がおっさん化した証拠かも。
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