イマジンカイザー

ウルトラマントリガー エピソードZのイマジンカイザーのレビュー・感想・評価

3.3
前身作にあたるティガが打ち出した『ヒトは誰でも光になれるんだ』という言葉を受け、光であり(闇も併せ持ち)ヒトであると締め括ったウルトラマントリガーという作品のある種順当な幕切れ。全部が全部に納得した訳じゃないのですが、よくも悪くもこの作品らしい結末だなと。

人は誰でも光になれる、という言葉が括りして便利で、以降の作品はそれに倣い光こそが、光こそがって部分が多くて、それが正直食指気味だとは思っていたのですが、ニュージェネレーション作品以降は闇を味方に付けた作品も増えてきて。その到達点として、我こそは光であると声高に言ってくる相手に対し、どちらも持ってこそ、ヒトだからこそと決着を付けに来るところはティガから一歩進んだなと思うし、ここ何年かの積み重ねが効いたなと。

イーヴィルトリガー、の元ネタイーヴィルティガが持っていた一方的な独善みたいなところがこの作品のラスト以降の結末とうまく合致していて、彼の言葉をウルトラマンたちが力強く否定出来るところに、あの半年間の総決算を感じました。

ただ、劇場版ではなくあくまで『特別編』なだけあって、お予算的な都合もちょくちょく見えたのがちょっと残念。もともと高かったテレビシリーズ並みのクオリティーの特撮や戦闘シーンを劇場で観られたのは良かったのですが、それ以上を期待して観に行くと肩透かし。
特に、前作の主役、ウルトラマンゼット周りは尺の問題をモロに食った感があり、最低限説明はあったけどもう少し出番が欲しかったなあと。劇場版を制作できなかった悲しみを払拭する活躍を期待したのですが……。

プラス・マイナス併せてまあ、この作品らしいなあと。マナカケンゴ/ウルトラマントリガーの物語としてはしっかりまとまっておりました。