マサミチ

恋は光のマサミチのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
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全く予備知識無しに観たのだが面白い切り口ですね。けども変化球では無くて正統派の恋愛映画として納得のいく落とし所に持っていく力のある作品。

会話のテンポの良い脚本が秀逸で、普通はテンポだけに頼ると軽さばかりが目立つのだが、これはキチンと各キャラの持っている言葉として発せられているから台詞に説得力がある。

このどこか感覚的にズレたキャラ同士が織り成す展開と醸し出されるユーモアが可笑しくて、客席で1人でウケまくっていた。

主役の西条君(神尾楓珠)と恋について学術的な視点で交換日記を始める東雲さんを演じる平祐奈が面白い。今までも何本か作品は観た事があったと思うのだが、キャラをしっかりと自分のモノに出来る実力を持った女優さんですね。

西条君と幼なじみで彼を先生と呼ぶ北代さんを演じる西野七瀬は作中で唯一マトモに映るキャラを演じているのだが、昨年の【孤狼の血LEVEL2】の時は背伸びして無理に演じている感じがあったが、今回は等身大の役柄で、西条君が近過ぎて想いを打ち明けられない女子を伸び伸びと演じている。

西条君を演じる神尾楓珠にしても浮世離れした個性の強いキャラをちゃんと説得力持たしたお芝居で自分のモノにしていたし、人の彼氏を奪う事しか出来ない宿木さんを演じる馬場ふみかにしても、ヘタするとただのイヤな女にしかならないところをちゃんと彼女なりの理由を持たした芝居で答えている。

あとは触れておかなければならないのは最近活躍が目立つ伊東蒼ちゃんが西条君と同じく恋の光が見える女子高生画家役で出番は少ないながらも存在感を見せているところ。

まァ人物の構図は恋愛モノとしてはベタなのかもしれないが、キャラの掛け合いでこうも面白く見せ切った小林啓一監督の力量は素直に素晴らしい。


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