だんだん神尾楓珠が合わなくなってきた気がする。
西野七瀬が至極自然で好きだった。
漫画の世界でのみ存在するやや堅苦しい話し方も、
愛嬌の良さと相まって
キャラクターをより良く感じさせる
一躍を担っていた。
古風をデフォルメしたような平祐奈も
何故か心地よさがある。
凛とした佇まいは
幼気なルックスとの奇妙なアンバランスを生んでいるが
それがいい。
後半のギャグ的なシーンで
そのアンバランスさが一気に活きて
思わず吹き出してしまう。
馬場ふみかも、嫌な掻き回し役でありながら
魅力も持ち合わせている。
でも、“原作通り”が通用するのはここまでなのではないだろうか。
2時間を通して画面に映り続ける
神尾楓珠のキャラクターは
まず話し方からどうしても受け付けない。
一言一句漏らさぬよう音読している感もあり、
その忠実さが必要だったのか疑問が残る。
定義つけられた定量的な恋も
母性に溢れた恋も
略奪を主とする恋も
沸き上がるえもいわれぬ恋も
全ての恋が否定されないのが良い。
成就するか否かに関わらず
恋は希望の光なのだと思える。