サンヨンイチ

恋は光のサンヨンイチのレビュー・感想・評価

恋は光(2022年製作の映画)
3.5
だんだん神尾楓珠が合わなくなってきた気がする。


西野七瀬が至極自然で好きだった。
漫画の世界でのみ存在するやや堅苦しい話し方も、
愛嬌の良さと相まって
キャラクターをより良く感じさせる
一躍を担っていた。

古風をデフォルメしたような平祐奈も
何故か心地よさがある。
凛とした佇まいは
幼気なルックスとの奇妙なアンバランスを生んでいるが
それがいい。
後半のギャグ的なシーンで
そのアンバランスさが一気に活きて
思わず吹き出してしまう。

馬場ふみかも、嫌な掻き回し役でありながら
魅力も持ち合わせている。

でも、“原作通り”が通用するのはここまでなのではないだろうか。
2時間を通して画面に映り続ける
神尾楓珠のキャラクターは
まず話し方からどうしても受け付けない。
一言一句漏らさぬよう音読している感もあり、
その忠実さが必要だったのか疑問が残る。


定義つけられた定量的な恋も
母性に溢れた恋も
略奪を主とする恋も
沸き上がるえもいわれぬ恋も
全ての恋が否定されないのが良い。
成就するか否かに関わらず
恋は希望の光なのだと思える。